著者:元木 大地
ページ数:46
¥350 → ¥0
学校では教えない、労働組合のお話
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・本作品は、労働組合結成のマニュアル本ではなく、新入社員だった私が体験した、就職先のブラック企業と戦った実話を描いた短編小説です。
・第28回 労働者文学賞 小説部門 入選作品『ファイティングポーズ』の続編
・労働者文学 第80号 発表作品
◆あらすじ◆
主人公である池田樹は、就職を機に実家の神戸を離れ、大阪の地元密着型の食品スーパーに就職する。
そこは1日14時間労働、その全てがサービス残業が常のブラック企業だった。
疲弊した樹に見かねた父は、樹に個人加盟ユニオンの紹介をする。
樹は、ユニオンの勧めで社内に労働組合を結成しようと奔走する。
ようやく社内に仲間が現れるものの、その仲間はユニオン加入5日後に自死してしまう。
樹は衝撃を受け、投げ遣りな状態に陥るも、徐々に自死した仲間のご両親を支えたいと感じるようになる。
樹は、自身の名前が企業に公表されることを恐れるも、仲間の遺した言葉に背中を押され、長時間労働を認めさせる為、ユニオンと共に団体交渉を申し込む決意をする。
内気で臆病な青年が、思いやりと勇気を持って成長していく、ノンフィクションストーリー。
◆内容紹介◆
〜はじめに〜
「本作品は、『ファイティングポーズ 〜ブラック企業奮闘記〜』の続編です。
『ファイティングポーズ』が労働者文学賞を受賞後、私は労働者文学編集長から続編の執筆を依頼され、再度執筆を試みました。
薄れゆく記憶を辿りながら、残っていた団体交渉時の録音された音源を頼りに数十回再生しては台詞を書き留め、当時の感覚を五感に渡って蘇らせ、前作よりも完成度の高い作品にしようと表現に試行錯誤しました。
作品中に登場する団体交渉時の台詞は本物なので、団体交渉がどのような雰囲気か知らない読者にとって、理解の一助になるかと思います。
また、記憶を遡るにあたり「なぜ西山(仮名)は命を落とさなければいけなかったのか」と幾度も悔しさに包まれました。
本作品では「西山のような犠牲者をこれ以上増やしてはいけない」という思いから、テーマを「生きること」としました。
本作品には、「命を明日に繋げて欲しい」という私のメッセージが強く込められています。
本作品は、私としても満足のいく仕上がりとなっていると同時に、労働者文学会の方々からも前作よりも上手くなったとお褒めいただき、自信作となっています。
本作品が、あなたに勇気や希望を与え、あなたの行動する力となれば、私は本望です。」
◆読者感想◆
「独立した作品としても読めるように状況や登場人物がうまく説明されている。冒頭、牛丼について考える生活感の描写がリアリティを与える。
組織結成が会社に伝えられ、労働条件の改善、西山の労災認定の認定のための資料を求める等の要求で第一回団体交渉が後半のハイライトになる。体験が元になっているのだろう、人物の描写も効果的で迫真の描写である。」
(『通信労働者文学 No259』-「『労働者文学』第80号合評会 報告」首藤滋氏の基調報告より一部抜粋)
◆読者の対象は、ブラック企業に苦しむ20〜30代を想定していますが、純粋に小説を楽しみたい方や労働環境を改善したい方、中高生や大学生でも読みやすい内容となっております。
◆本屋に並ぶ「組合結成マニュアル」本との相違点は、団体交渉に至るまでの実際の障壁や苦労を内気な主人公の心情をメインとして、リアルに描き、お伝えしている点です。
◆読み終えるまで要40分程度。
◆著者プロフィール◆
元木大地。1987年生まれ。専門学校卒業後、実家の神戸を離れ、大阪の地域密着型の某ブラックスーパーに就職。入社1年目に劣悪な労働環境から個人加盟ユニオンに加入。仲間の同期の自死を巡り団体交渉を繰り返す。入社2年後に未払い分のサービス残業代80万円を勝ち取り、退職。残業代を元手に新たに専門学校へ通い、労働組合のある食品メーカー企業へ再就職。就職先では、組合委員長を就任。3児の父であり、現在は育児に奮闘中。
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