著者:杜泉 慧
ページ数:86

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 かつて、まだ高校生だった私は、今後の人生で自分は何をしたいのかを必死に考え、偶然にもスペイン語を学ぶことにしました。そして、いつかスペイン語を習得し、仕事で使えるものにしたいと願い、大学卒業後スペインに渡ります。自分がネイティブでないことや、語学のセンスに欠けるという劣等感に苛まれながらも、奮闘と試行錯誤の毎日を繰り返し、なんとか現地で就職することができ、色々な経験をし、たくさんの人と出会い、そして、あっという間に約30年という歳月が流れてしまいました。
 久々に日本に帰国したところ、スペイン人って本当に働かないんですか、という質問がいきなり飛んできました。スペインへ旅行される方も多く、スペイン料理やスペインバルも日本ではポピュラーになりましたが、なかなかスペインという社会やスペイン人の生の姿というのは日本からは見えにくいものなのだと改めて実感しています。すでに定着している固定概念を崩すのはなかなか難しそうですね。確かに、その固定概念に当てはまってしまうケースはありますが、やはりそれだけではない現実が実際の社会には存在します。他にもスペインに関する質問をいろいろ頂きました。スペインに関心を持って頂けて嬉しい限りです。30年という長い年月を経ても、私が目の当たりにしたスペイン社会やスペイン人の姿は彼ら全体のほんの一部に過ぎず、またここに書かせて頂いたことも、私の体験の一部にしか過ぎないのですが、頂戴したご質問に少しでも真実の回答をさせて頂きたいと思い、このエッセイを書かせて頂くことにしました。
 久しぶりの日本社会は大きく変化していました。スペインへ渡った当時から、日本とスペイン、日本人とスペイン人は異なるものだとずっと思っていましたが、今の日本にはスペインに似ているところがあると感じ、私の中にあった一種の境界線がぼやけてきています。日本も治安が悪化し、働き方も大きく変わってきています。なぜかスペインでの経験が、今の日本での生活の中でオーバーラップしています。本書に書かせて頂いたそれぞれのエピソードは、私の体験から来たものに過ぎませんが、特にスペインにご関心がない方でも、何かご参考にして頂けることがあるのではないかと感じています。
 いつもふわっと(ふらっとかな)している私らしく(という印象を持つ人は多いらしいので)、とりとめのないことを、私のペースで書きました。
シンプル+イージーが私の信条ですので、コーヒーブレイクやティータイムのお供に、どうぞご笑覧いただければ嬉しい限りです。

<目次>
はじめに – Prólogo - 
Capítulo 1 いきなり目が覚めた
Capítulo 2  スペイン人って、日本人とどう違う?
Capítulo 3 スペインへ行く
Capítulo 4 スペインって、こうなんだ!
Capítulo 5 スペイン人との生活1
Capítulo 6 スペイン人との生活2
Capítulo 7 食生活も変わっていく
Capítulo 8 カッコイイ女性たち
Capítulo 9 スペイン人って、本当に働かないんですか?
Capítulo 10 結婚か仕事か
Capítulo 11 パワハラってあるんですか?
Capítulo 12 自動条件反射
Capítulo 13 犯罪対策はとっていますか?
   <何をどう気を付ければいいのか>
   <何のために?>
   <盗むやつは何でも盗む>
   <ついに犯罪に巻き込まれる! >
   <これからも>
   <事件にはならなかったけれど… >
Capítulo 14 スペイン的な体験
   <ナンシーと同じ体験をする>
   <まるで映画みたいな>
あとがき – Epílogo –

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