カナダで保育士奮闘中: 30代から海外チャレンジした新米保育士の奮闘記

私も長い間海外への憧れを押し殺しつつ、日本で小学校の教師として働いてたのです。そんな私が『カナダで保育士になる！』と、カナダへ長期留学に出たのは33歳の時。ワーキングホリデービザが使える年齢を既に超えていた中、教師といういわゆる【安定した収入】を得られる仕事を退職し、キャリアや結婚で迷う30代で保育留学という人生最大級の決断をしたのです。ちなみに、その頃も自分の英語に自信があったわけではありません(笑)。いや…むしろ、英語なんてまったくできなかったと思います…。そのため、現地カレッジ通学時代はものすごく苦労しました…。

小学校教諭だった私は、幼稚園教諭免許や保育士資格取得過程の中で、実習による現場経験はありましたが、実際に働いた経験はありません。英語はできないわ、保育も未経験だわ、更には働けるビザすらなかったという、無い無い尽くしの私が、カナダへ渡って以来、夢半ばで日本に帰国することなく現地で採用され、就労ビザ、永住権までこぎつけられるなんて、一体誰が想像できたでしょうか(笑)？

カナダは多国籍な国。多様性が重要視され、色々なルーツを持つ人が一緒になって働いています。それはもちろん子どもたちも同じ。目の色、髪の色、肌の色、宗教、食文化、すべてが尊重されている世界です。それはもちろん日本の遊びももちろん！折り紙なんて折れたら人気者になれます。日本人特有の働き者っぷりと察する能力も、ものすごく重宝されます。日本人保育士として働くことは、あなたが想像している以上に現場から重宝されます。保育士未経験だった私も無事働くことができているので、保育士経験のある人なら更にチャンスは広がるでしょう。

カナダの保育は良い意味でゆとりがあり、年間カリキュラムもなければ書類仕事もほとんどありません。日本の保育園のような日案は基本的にないところが多く、子どもたちの興味を基に保育が行われている園もあれば、日案はないけれどきっちりとしたスケジュールを基に保育が行われている園もあります。それぞれの保育園で色々な持ち味があり、モンテッソーリベースの所もあれば、レッジョ・エミリアベースの園もあり、プレイベースの園だってあります。色々な保育を体験するのに、とても良い環境だと個人的に思っています。また、保育士と保護者の関係も平等です。一生懸命子どもと向き合っていることがある意味では当たり前ですが、それだけで感謝されることも少なくありません。私はそのような保護者との関係が築けるカナダの保育の環境が大好きです。

近年は【おとな留学】なるものを耳にするようにはなったものの、まだまだ10～20代の人がするものというイメージが強い留学。ですが、世界に目を向けると全然そんなことはないのです。現地では私よりも大人の方がたくさん、キャリアアップのため学校に通っておられました。年齢が問われないのがこの世界。チャンスはたくさんあるのです。ですから、『何のために留学をするのか』によっては、現地で就職できたり、永住権を取得することも夢ではないと考えています。日本では味わえない、また、オンライン留学でも味わえない、現地だからこそ学べることがたくさんあります。年齢の壁をぶっ壊し、自分の可能性を信じて、今こそ世界へ一歩、飛び出してみませんか？

私の発信するSNSの様子から私を信頼し、海外留学・海外就職・海外移住(主にカナダ保育関連ですが)の相談をしてくれる人が年々増えています。おそらく今後も増え続けると予想しています。それでも『海外に出る！』というのは不安なもの。「海外の保育園で働いてみたいけれど英語が心配。」「保育経験がなくても働けるのか？」「年齢的に海外へ行っても大丈夫なのか？」「ピアノが苦手です…。」色々な心配があって当たり前です。それら丸ごと全部ひっくるめて、大丈夫！と言いたい気持ちをまるっと込めてこの本を書きました。

こちらの本では、私がいかに英語ができなかったのかの暴露話(笑)を始め、教師を辞めてカナダで保育士になるまでの私のストーリーはもちろん、カナダで保育士として働く方法、ビザのお話、履歴書やカバーレターの書き方などの就職活動方法の他、実際に面接で聞かれた質問を25選にまとめました。その他、カナダの保育士として働くメリットとデメリットに加え、更に実際に現地で働く日本人保育士さんたちからの声も書き加えました。カナダにはあなたが思っている以上に、たくさんの日本人が保育士としてはもちろん、高校教師、理学療法士、会社経営者等いろいろな人がそれぞれのフィールドで活躍しています。きっと、あなたも何かができる！無限の可能性があると私は信じています！！

本書は6万文字を超えるリアル情報満載のカナダ保育留学参考本。私の経験があなたのお役に立てるように心をこめて書きました。

本書の内容

はじめに

第一章　どん底英語人生のスタート

1. 壊滅的英語レベル
2. 海外への最初の一歩に出るまで
3. オーストラリアのシドニーへ
4. 語学学校でボロボロ体験
5. ホストファミリーに救われた話
6. 大学卒業後も学生⁉
7. 職業：小学校の先生　副業：旅人

第二章　33歳で人生初海外長期留学⁉なぜ私はカナダで保育士の道を？

1. 拭えない違和感
2. 私が教師を辞めた理由
3. 見えてきた新しい世界
4. 運命の出会い
5. カナダ渡航へ向けて
6. いざ！カナダへ！！
7. 語学学校と保育のカレッジ
8. 地獄の保育カレッジ生活
9. 唯一の癒しの時間だったデイケアでのボランティア
10. 突然の保育カレッジ閉校
11. なんてタイミング…
12. 土壇場の逆転
13. スポンサー探し
14. 実習先の決定
15. スポンサーが見つかる…！
16. 移民コンサルタント
17. 永住権のためのポイ活
18. カナダで保育士奮闘中

第三章　カナダで保育士になろう！保育士の仕事を得る方法

1. カナダで保育士になる方法
2. カナダで保育士就職活動の流れ
3. カナダの履歴書(レジュメ)の書き方
4. カバーレターの書き方
5. 求人に応募する時に送るメールについて
6. 就職先の探し方
7. リファレンス(推薦状)について
8. 保育士面接知っておきたい３つのポイント
9. 保育士の面接でよく聞かれる質問25選

第四章　カナダの保育士事情

1. カナダで保育士として働く10のメリット
2. カナダで保育士として働く4つのデメリット
3. カナダの保育施設の違いについて
4. カナダ各州の保育士事情について
5. 現地で働く日本人保育士たちの声を集めました

おわりに

実際に33歳で海外へチャレンジした結果、保育士資格を取得し、現地に就職し、カナダ永住権取得まで達成したトモカがお送りする、カナダ保育留学の指南書となります。ぜひ最後までお楽しみください。決断すること、そして実際に行動に移すということは、たくさんの不安を抱えたまま、自分を信じてとにかく動いてみるということ。そんな私も不安でいっぱいでした。何度泣いたかわかりません。けれど、実際に行動することでしか未来は拓けません。だからこそ、行動に移すと必ず道は開けてくるのだと私はあなたにお伝えしたいです。今の私は、数年前の私が「カナダで保育士になりたい！永住権を取りたい！」と夢みた自分なんです。あなたもきっとそうなれると私は信じています。この本があなたにとってほんの少しの勇気を与えられることを心から願っています。

それでは、本書でお会いしましょう。

著者略歴
トモカ　1983年大阪生まれ。
四年制大学で英文学を専攻のち、短大にて小学校教諭・幼稚園教諭・保育士資格を取得。英語に目覚めたきっかけは、四年制大学で履修した中学校への教育実習で英語を教えたこと。それまで海外へ行ったことはなく、英語を知らない自分に恥ずかしさを感じ、22歳で初の海外留学へ。そこから海外へ行くことにはまり、『英語旅』に何度も参加し、世界中で友だちをつくるようになる。
短大卒業一年後に小学校教諭正規採用となる。日本では８年間小学校の教師として働き、2016年３月で教師を退職。６月にカナダ・バンクーバーへ保育留学のため渡航。2017年にカナダBC州の保育士資格を取得し、現地の保育園のサポートにより就労ビザを取得。2020年にカナダ永住権を取得。現在も保育士としてフルタイムで働きながら、SNS等で情報発信をする日々。今後の目標は、決断と行動で自分で人生の舵取りができる人を増やすこと。