王都に向かう料理人: 王位継承と友情、そして不思議な調味料の物語

　中世ヨーロ大陸の小君主国が舞台。片田舎で調理人として働いていた少年ミュンは、或ることをきっかけに親友のヤンと共に村を出て、宮廷料理人となるべく王都へ向かう。その時ミュンは、母から受け継いだ奇跡的に人を癒す不思議な調味料ミソウを携える。
　また、ミュンの臀部には謎の刺青(いれずみ)があり、その刺青は彼自身も知らない王室の重大な秘密につながっているのだった。
　一方、王都では、王族や貴族・騎士たちによる、国の政治と王位継承を巡る争いが再燃しようとしていた。
　高貴な血筋に生まれながらも、自らの出自を知らぬまま度重なる困難の中を生き抜く若者を描いた「貴種流離譚」。