著者:赤池 三男
ページ数:318
¥980 → ¥0
――ロッキード事件が報道されたとき、国税不服審判所に「私に課税をしたら、不服審査を申し立てる」と電話をしてきた男が名乗った名前は、次のどれでしょうか。
1.田中角栄、2.児玉誉士夫、3.小佐野賢治
正解は本書「ロッキード事件」をご覧ください。
長野の山村から上京し、公務員でも比較的処遇の良い税務職を選んだ著者は、その後国税庁本庁に転勤になり、国税庁長官官房総務課に新設された国会係長に就任することになった。ここで彼は、国会答弁から記者対応まで激務に追われる日々が続き、そして遂には日本の政治に変革をもたらした大事件、あの「田中金脈」と「ロッキード事件」の真っただ中に置かれることとなる――「国税庁の事件男」と呼ばれた著者が、一人のノンキャリア税務職員の半生と共に知られざる国税の昭和史を振り返る。暴露的でなく、軽い筆タッチでエッセー風に描いている。
[目次]
赤池君を知るの記
序
新設国会係長
―大蔵官僚を守れ―
いわゆる田中金脈問題
ロッキード事件
田中前総理逮捕の日
児玉誉士夫氏臨床訊問
質問取り
黒い手帳
国会に振られて帰る果報者
速 記
国会を止める方法
チーン
情報伝達手段は電話だけ
福田赳夫蔵相
大平正芳大臣のこと
地元代議士
議事録
外務省機密漏洩事件
強行採決
政府委員
ユーモアたっぷり稲葉VS稲葉
好きな政治家
事件記者 警視庁記者クラブ
国税庁記者クラブ
むち打ち症
守秘義務と政府統一見解
私の選んだ議員は猛獣や珍獣?
国会に入るには
国会議員はなぜ眠る
放立ち
俳優と初めて言葉を交わした ―笠智衆―
郷土の偉人
上田高校野球都物語 ―甲子園初出場―
長野県の教育
これが弁当といえようか
税を知る週間
確定申告裏話
国税庁監督官
税務署長拝命のこと
笑ってください
大蔵官僚物語
三島由紀夫氏の死 その時大蔵省では
自称 官界の青空一門
円谷 幸吉君のこと
大宅壮一東京マスコミ塾
ハイジャック事件
国税の人々
終わりに
著者紹介
[担当からのコメント]
国税というと「マルサの女」を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、税と政治の裏側が綴られているという点で、本書はそれに勝るとも劣らない面白さを持った回顧録になっています。規模は違えど今も頻発する政治とカネの問題、その奥にある人間の相貌をイメージしながら本書を楽しんでいただければ嬉しく思います。
著者紹介
赤池 三男(あかいけ・みつお)
長野県埴科郡南条村(坂城町)生まれ
長野県上田高校卒
中央大学商学部卒
大宅壮一東京マスコミ塾第五期生
国税庁長官官房監督官、税務大学校教授・東京国税局調査部統括官・税務署長
税理士、税務評論家
執筆「花のお江戸で」「あのとき このころ」「あんな話こんな話」ほか。
作詩(作詩家名 池みつを、赤池みつを)
「信濃・安曇野・梓川」
「母の祈り―慰霊美術館に眠るあなたに―」
「おんな・花街・隅田川」ほか
東京都在住
著書 2008年8月『花のお江戸で』(星雲社)
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