著者:鈴木大介
ページ数:102

¥150¥0

 札幌市内にどんな山があるのか、気になったことはないですか?「藻岩山や手稲山はわかるけど、ほかの山は知らないなぁ…。」という人が多いんじゃないでしょうか。
 たまに友人や職場の同僚と山の話題になったときに札幌50峰についての話をすると「えっ、札幌に50個も山があるの?」と驚かれます。実際にはマイナーなピークや三角点を含めるともっとたくさんの山があるのですが、札幌は人口200万人の大都市でありながらこのような豊かな自然に囲まれているだけでなく、冬には雪に覆われて登山道がない場所でもスキーやスノーシューで自在に歩いていけるという類まれな好条件がそろっているのです。
 人によって山登りの意味はさまざまですが、私が札幌50峰をおすすめするのにはいくつか理由があります。日本100名山とか北海道100名山などは、山に登るための移動が大変だったり、険しい山が含まれていたりとハードルが高いのに比べて、札幌50峰はすべて札幌市内で完結しており、難易度的にもなんとかなるレベルなので挑戦しやすいというよさがあります。また藻岩山からは札幌岳が見え、札幌岳に登れば漁岳や狭薄山が見えるというように、どこの札幌50峰からも必ず他の札幌50峰が見えます。登ったことのある山が増えると、知らず知らずのうちにほとんどの山の位置関係がわかるようになってきて楽しさが倍増してきます。もちろん見える角度も違うので毎回新たな発見が待っています。そして札幌50峰の多くの山は山頂にたつと同時に、美しい羊蹄山が迎えてくれるというご褒美までついてくるのです。
 札幌50峰のうち多くは登山道がなく、夏は笹藪に覆われていて登ることができません。そのため雪で覆われた冬季の登山が多くなります。スキーやスノーシューを使うことによって深い雪の上でも自由に歩くことができるようになるのです。私はスノーシューを使っていますが、青空の下、真っ白な雪の上を歩く気分は本当に素晴らしい体験です。「冬山は怖いんじゃないか?雪崩が起きたらどうするの?」という人も、きちんとした準備(防寒対策、地図、GPSなど)をして、一歩を踏み出せば、必ずや冬山の魅力にはまってしまうにちがいありません。
 札幌の山について紹介してある本はこれまでも数多く出版されています。良著の多きにも関わらず、このたび私が屋下に屋を架してこのような本を出版したのは、札幌の山の魅力をまだ知らぬ人たちに伝えたい、それぞれの山頂から見える景色の素晴らしさや登頂の過程で得られる達成感をぜひ自分の心と身体で味わってほしい、という思いからに他なりません。この本は単なる山の紹介ではなく、またネットにある登山記録のようなものでもありません。ただの一札幌市民である私が札幌50峰に対する思いを綴ったエッセイのようなものになったと思います。ベテランの人達から見たら物足りない内容かもしれませんが、その際はご容赦ください。
 タイトルは「魅惑の札幌50峰」としました。写真はなるべく山々の位置関係がわかるようなものを多く選び、時間のない人は写真を見るだけでも楽しめるようにしたつもりです。本書を通じて、身近な山の魅力と登山の楽しさに少しでも興味を持って頂けたら望外の幸せです。

シリーズ一覧

  • 同シリーズの電子書籍はありませんでした。

 

  Kindle Unlimitedは、現在30日間無料体験キャンペーンを行っています!

この期間中は料金が980円→0円となるため、この記事で紹介している電子書籍は、すべてこのKindle Unlimited無料体験で読むことが可能です。

Kindle Unlimited 無料体験に登録する