著者:堀江匡平
ページ数:146

¥1,248¥0

 ノンファンジブル・トークン(Non-Fungible Tokens:以下、NFT)は、2017年末に登場した、ユニークで不可分なブロックチェーンベースの新しいタイプのトークンです。
 NFTはその購入価格の高さで有名になり、所有するために数百万ドルが必要になることもあります。
 最近では、クリスティーズのオークションで、デジタルアート作品を表現したNFTが6900万ドルで落札されたこともあります。
 一般的に、Solidity言語で書かれたERC-721規格で作成され、イーサリアム(Ethereum)、イオス(EOS)、カルダノ(Cardano)、フロウ(Flow)、トロン(Tron)などのパブリック・ブロックチェーン・プロトコルやプラットフォームを利用しています。
 これらが、ノンファンジブルと呼ばれるのは、暗号通貨のように他の資産と一対一の比率で存在しないからです。
 基本的に、NFTは資産の所有権を検証可能にし、各資産はユニークであるため、各NFTの記録は、資産自体の価値に関連するユニークな価値を持っています。
 またNFTのアプリケーションは、他の暗号通貨を利用しており、その市場に結びついている面もありますが、通貨そのものではなく、むしろ所有権の記録に近いものだと言えます。
 さらにIoT環境では、分散型コンピューティングシステムやブロックチェーンアプリケーションを利用して、現実世界のアイテムを所有権や取引権を証明できるデジタル記録に結びつけることが増えています。
 いずれ、資産の販売、所有権の移転、さらにはレンタルや保険の契約にもNFTが関連付けられるかもしれません。
 このようにNFTは、資産にリンクしたユニークな暗号記録で、典型的には美術品、音楽、収集品、またはその他の価値のあると推定される対象物です。
 簡単に言えば、デジタル時代のトレーディングカードのようなものです。
 基本的に、記録のための基礎となる分散型台帳を提供し、それをピア・ツー・ピア・ネットワークで交換可能にするトランザクションと組み合わせます。
 これらの記録は「トークン」と呼ばれ、ある意味では物理的な資産と同じように、またある意味では根本的に異なるように、購入、取引、販売することができます。
 資産の所有権の有効性を証明するブロックチェーン技術上で動作しているため、理想的には、記録と実際の物体の間に関連するすべての取引が記録されます。
 このNFTは一般的に「ウォレット」から売買・取引され、公開されている場合は、Blockchain.com、TokenView、BTC.comなどのウェブサイトで見つけることができます。
 またNFTには、NFTのオーナーとNFTのバイヤーが存在します。
 NFTの所有者は、取引の生データを適切なフォーマットにデジタル化し、ブロックチェーンの外部にあるデータベースに保存します。
 その後、所有者は取引をハッシュで署名し、データをスマートコントラクトに送信します。
 スマートコントラクトは、データを処理した後、ブロックチェーン上でトランザクションとしてミント(トークンの初期分配を行うために使用される特別な取引)やトレードを行います。
 そしてNFTは固有のハッシュ識別子と分散型ブロックチェーンの記録に永続的にリンクされ、変更されることはなくなります。
 これによって、NFTは安定性と一貫性を保つことができるのです。
 本書を読み終わる頃には、近年注目されているこのNFTについて、大まかに理解することができるでしょう。

目次
まえがき
第1章 NFTとブロックチェーン
第2章 デジタル資産へのアクセス
第3章 NFTは、どうやって使われているのか?
第4章 NFTとアート市場

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