著者:手塚一志
ページ数:212

¥999¥0

本書は、2013年に書き下ろした『なぜうちの子は本番に弱いのか?』(ベータ・エンドルフィン社)の、電子書籍版です。
現在ボクは、上達屋という名のスポーツ選手のパフォーマンス向上をサポートする工房を運営し、2022年に創設30年を迎えました。東京/横浜/浦安/広島の4つの工房に務めてくれているわが精鋭スタッフは、マンツーマンスタイルのパフォーマンスアップのコーディネート(技能調律)を、年間約18,000回行っています。
結果、この30年の間に、パフォーマンスアップを担当したプロ野球選手は100名を越え、その中にはタイトルホルダーも複数名誕生しました。
またこの間に、野球以外のスポーツ種目、ラグビー、陸上競技、テニス、サッカー、柔道、ボクシング、相撲など、ありとあらゆる種目に効果をもたらす“理に適ったカラダの操り方を育み磨く訓練法”「操育プログラム」を開発したことで、全種目・全世代のスポーツ選手に有益な成果を約束するメソッドへと発展したのです。
選手であるお子さんと親御さんとの関係もまた、パフォーマンスアップと無縁ではありません。われわれは日々現場で、このキッズやジュニア選手とその親御さんとの良好な関係性について、向き合い続け、その最適を探し続けてきました。
そこから生まれた書籍が『なぜうちの子は本番に弱いのか?』です。
理論書や技術書が多かったボクの作品の中にあって本書は異色。ただ、読んでいただいたパパさん・ママさんたちから「間に合ったぁ!」という喜びの声もたくさんいただきました。
この「間に合ったぁ!」・・・という意味、ボクにはよくわかります。
まさに、幼いに子どもが初めてスポーツに出会い、好きになろうとしている大事な時期の子に対し“親側がやってはならないこと”・・・に“修正が効く段階”で気づけてよかったぁ~という“間に合ったぁ!”なのです。
つまり、本書に書いてある接し方・考え方に出会ったおかげで「間に合ったぁ!」・・・と胸をなでおろすパパさん・ママさんもいれば、本書を手にした段階ですでに関係がこじれてしまっており、「しまったぁ!」「やっちまったぁ!」「取返しムリ~!」・・・の人は、確実にいらっしゃるはずです。
本書は、そうならないために、親側が心得て置くべき心の準備について書いています。まだ間に合ううちに、できるだけ多くのお父さん・お母さんに届けたいのです。
加えて、YouTubeの「上達屋チャンネル」でも、【上達屋 スポーツを教えるなニッポン?】親がコーチが上手くなるコツを教えれば教えるほどヘタになる?という動画シリーズ(全10本)で、親が子にスポーツを教えはじめると、子がその種目を嫌いになる理由を解説しています。自分のお子さんと、キャッチボールやサッカーごっこや補助輪を外して自転車に乗る練習とか、はじめてスポーツ遊びをするタイミングが訪れる前までに、親が知っておくべきこととは何か? こちらも合わせて視聴いただくと、この時期の日本中のパパさん・ママさんに、ボクが何を伝えたがっているのかが理解しやすくなるでしょう。 

『小さな口・大きな耳・優しい目』
『ほめず・教えず・助言せず』
『子の自立こそ親の幸せ』

スポーツをはじめたばかりのお子さんには“放認”がよく効きます。
自由に放って(やりたいようにやらせて)+認める(その子の存在を承認)のです。
ところが、今の日本の土日の公園やグランドでは、その逆の姿によく出くわします。その連発される親からの教えやアドバイスは、“承認”とは逆の“否定”につながりかねません。大好きなパパに認めてもらいたい子どもたちにとっては、大好きなパパからの「そうじゃない。こうするんだぁ!」の言葉は、彼らの健全な成長にとってもっとも重要な心の安定要素である「承認欲求」を満たすことができないまま幼少期を終えてしまうことになるのです。
一方、“放認”で接すると、この承認欲求は満たされやすくなります。
「もう帰ろうよ。あと何回やれば気が済むんだぁ?」
なにやっても自由で教えられないこのスポーツ遊びがたいそう気に入った子どもたちは、大人側が飽きてしまっても、「あと100万回やる!」というほど夢中状態に陥ります。
“中毒症状”です。依存症です。この依存症状態こそ技能上達の正体です。
“あと100万回”とか“あと1億回”の言葉が子どもから発せられた瞬間こそ、パパの勝利の瞬間なのです。黙っていても彼らはそのスポーツをずーっとやり続け、巧くなりたいと思い続けます。その自動化装置にスイッチが入ったのです。
ところが教える行為が混ざってくると、その複雑な回路が混乱し、上手くいかないことに嫌気がさした子どもたちは、中毒になることなく、上達の自動化装置のスイッチも入ることなく、そのスポーツから関心が遠ざかるのです。
いまからでもでもまだ“間に合う人”はいっぱいいるかもしれません。
そんな親子に、この本を捧げます。
                     
手塚 一志

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