著者:みかづきふゆき
ページ数:119
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「わかった! 何でも腹一杯食わせてやる! ただ条件がある! あのドラゴンを、今すぐ倒せ!」
そう叫ぶと、虚ろだった少女の瞳に、精気が宿った。凜とした精悍な顔付きだ。
そして、細い右手で大人のジークさんを突き飛ばすと、ドラゴンへ体を向けた。
背中の大きな剣を抜き取ると両手で剣をしっかりと握りしめ、剣の先をドラゴンへと向ける。
少女の腕力と変貌にビックリした。
「ジークさんを、軽々と突き飛ばすなんて……」
と驚いている暇はない。ドラゴンの口から、炎が発射された。
「わ――っ、も――、ダメだ――!」
ドラゴンの炎が僕の乗る馬に直撃する寸前、少女が前に現れた。
少女の持つ大きな剣が炎の盾となり、少女と馬をよけるように炎が二つに分かれた。
ドラゴンが地に降り立った。
少女は再び剣を正眼に構えると、ドラゴンに向かって走り出す。
牙を剥くドラゴンに、少女が飛びかかった。
次の瞬間、ドラゴンの巨大な胴体が、剣で真っ二つに切り裂かれた。
ドン、ドン! と二つに分離されたドラゴンの体が、大地に倒れる。その直後、ドラゴンの二つの巨大な肉片が粉々に砕け散った。
「お仕事、終わりましたぁ。ご、ご飯、食べさせて、ほしいです。約束なの、です……」
そう言い終えると、少女はへなへなと腰を地に着けて、突っ伏した。
僕とジークさんは、一瞬でドラゴンを倒してしまった少女に、あっけに取られていた。
その少女は、口からよだれを流して、すやすやと寝込んでいる。きっと、おいしい料理を腹一杯食べている、夢でも見ているのであろう。
「ジークさん、この人、すごいですね」
「そうだな。超凄腕の冒険者だ。これは、いいものを拾った」
「拾った?」
不信の眼差しでジークさんを見つめる。
この人、やっぱり、怪しい。
「で、その冒険者様は腹ぺこ。ってな訳で、そろそろ飯にするぞ。スバルも腹減っているだろ?」
下を向いた。ご飯代を払うお金など、持っていない。
「安心しろ。俺がおごってやる」
その言葉で、顔を上げた。
「何があったのかは詮索しない。その様子じゃ、どうせ行くとこ、ないんだろう?」
頷く。
「当たりだな。飯は食わせてやる。その代わり、ギルドへ行って登録してもらうぞ」
「いいけど、どうして僕がギルドに登録を?」
ギルドと言えば冒険者に仕事を紹介してくれる役所のようなところだ。ロールプレイングゲームではお決まりだ。
「それはだな……。そうだ、お前は素質がある。冒険者の素質だ」
そう叫ぶと、虚ろだった少女の瞳に、精気が宿った。凜とした精悍な顔付きだ。
そして、細い右手で大人のジークさんを突き飛ばすと、ドラゴンへ体を向けた。
背中の大きな剣を抜き取ると両手で剣をしっかりと握りしめ、剣の先をドラゴンへと向ける。
少女の腕力と変貌にビックリした。
「ジークさんを、軽々と突き飛ばすなんて……」
と驚いている暇はない。ドラゴンの口から、炎が発射された。
「わ――っ、も――、ダメだ――!」
ドラゴンの炎が僕の乗る馬に直撃する寸前、少女が前に現れた。
少女の持つ大きな剣が炎の盾となり、少女と馬をよけるように炎が二つに分かれた。
ドラゴンが地に降り立った。
少女は再び剣を正眼に構えると、ドラゴンに向かって走り出す。
牙を剥くドラゴンに、少女が飛びかかった。
次の瞬間、ドラゴンの巨大な胴体が、剣で真っ二つに切り裂かれた。
ドン、ドン! と二つに分離されたドラゴンの体が、大地に倒れる。その直後、ドラゴンの二つの巨大な肉片が粉々に砕け散った。
「お仕事、終わりましたぁ。ご、ご飯、食べさせて、ほしいです。約束なの、です……」
そう言い終えると、少女はへなへなと腰を地に着けて、突っ伏した。
僕とジークさんは、一瞬でドラゴンを倒してしまった少女に、あっけに取られていた。
その少女は、口からよだれを流して、すやすやと寝込んでいる。きっと、おいしい料理を腹一杯食べている、夢でも見ているのであろう。
「ジークさん、この人、すごいですね」
「そうだな。超凄腕の冒険者だ。これは、いいものを拾った」
「拾った?」
不信の眼差しでジークさんを見つめる。
この人、やっぱり、怪しい。
「で、その冒険者様は腹ぺこ。ってな訳で、そろそろ飯にするぞ。スバルも腹減っているだろ?」
下を向いた。ご飯代を払うお金など、持っていない。
「安心しろ。俺がおごってやる」
その言葉で、顔を上げた。
「何があったのかは詮索しない。その様子じゃ、どうせ行くとこ、ないんだろう?」
頷く。
「当たりだな。飯は食わせてやる。その代わり、ギルドへ行って登録してもらうぞ」
「いいけど、どうして僕がギルドに登録を?」
ギルドと言えば冒険者に仕事を紹介してくれる役所のようなところだ。ロールプレイングゲームではお決まりだ。
「それはだな……。そうだ、お前は素質がある。冒険者の素質だ」
ゲームが大好きな5年生のスバルは、見知らぬ女性から携帯ゲーム機を貸してもらった。
けれど、そのゲーム機のスイッチをオンにすると、スバルは異世界に転送されてしまった。
異世界からは魔王を倒さないと元の日本には戻れない。
スバルの異世界ゲームが始まった。
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