著者:新川 由記
ページ数:93

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この世界は、足を締めつけるパンプスみたいに窮屈だ——。

加瀬みなみは、社会人2年目の平凡な会社員。
受験戦争に、就職。これまで、親の期待、世間の目に適うように「いい子」で生きてきた。
それなのに、なぜか生きづらい。なぜか幸せじゃない。
何もかもが嫌になって自暴自棄になった夜、みなみの前に現れたのは、幼い靴泥棒だった。

靴泥棒の目的は? そして、彼を追う女の正体は?

靴泥棒との奇妙な共同生活を通して、みなみは徐々に、自分の生きづらさの正体を解き明かしていく。

「いい子」であることを求める社会と、常識や空気という名の同調圧力の中で、喜んで思考停止する大衆。
どこか他人事ではないそんな世界を描く、新川由記のフィクション2作目。

<目次>
プロローグ
1. 私の足はパンプスに合うようにできていない
2. 飲み干したジョッキとカラの心
3. 倉庫の住人たち
4. 自由な囚われの身
5. ピンヒールの女と外の世界
6. 失われたものの先に
7. 靴を履くことを学ぶ羊たちと、彼らを泣き笑う黒い羊
8. 訓練所からの卒業の日に
9. 再会と、制裁と、別れ
エピローグ

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