【無料で読める】僕、もう年中さんだもん アロマ文庫

愛(あい)し合(あ)った二人から僕(ぼく)らは命(いのち)を与(あた)えられた。
いがみ合った 二人から僕らは悲(かな)しみを味(あじ)わされる。
友達(ともだち)とケンカすると仲直(なかなお)りを強(きょう)制(せい)してくる大人(おとな)達(たち)。
自分(じぶん)達(たち)が出来(でき)ないことを子供(こども)にはさせようとする。
「僕らは未(ま)だ柔(やわ)らかに曲(ま)げられる若枝(わかえだ)なんだ。
でも、大人は固(かた)く頑丈(がんじょう)な枝(えだ)に育(そだ)っていて曲げられないんだよ。
おじいちゃんが教(おし)えてくれた。
片親(かたおや)がいるだけで未(ま)だ幸(しあわ)せなんだよ」
親(おや)にはぐれたヌウの子供(こども)の映像(えいぞう)を見(み)ながら修(しゅう)吾(ご)お兄(にい)ちゃんは言(い)う。
修吾お兄ちゃんにはパパが・・・僕にはママがいない。
お出掛(でか)けの時(とき)右手(みぎて)にパパが・・・でも左手(ひだりて)にママがいない。
そんな中(なか)、僕は強(したた)かに生(い)きてるのに、
パパはひ弱(よわ)な僕を傷(きず)つけまいと、
一人(ひとり)悩(なや)んでママのことを何(なん)にも話(はな)してくれない。
パパ！　心配(しんぱい)しないでよ、僕、もう年中(ねんちゅう)さんだもん・・・