著者:はたの さとこ
ページ数:71
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この本を手に取ってくださったということは、介護に何かしらの不安を持っているのだと思います。
「こんなはずじゃなかった」
これは突然介護が必要になった、わたしの大好きな父の顔を見たときの本音でした。
2度の脳梗塞で認知症を発症し、要介護になった父。
このときのわたしは30代、母はすでに他界しており、ふたりの子どもは小学生で、まだまだ育児の真っただ中。
夫とは離別していたため、仕事だって辞めるわけにはいきません。ひとりっ子で頼る身内もなく自宅での介護は、想像以上に難しいものでした。
誰にも相談できない、すべて自分で解決しなくてはいけない、そんなふうに思っていた当時のわたし。途方に暮れて仕事が手につかない状態が続いたものです。
介護になるその前に、ちょっとした変化に気が付くことができて、相談できる場所を知っていれば、父は日常生活に制限のない時間が続いていたかもしれません。わたしだって、介護で疲弊することを避けることができたかもしれないのです。
はじめまして。暮らしと介護のエキスパート・はたのさとこです。
わたしは不動産の仕事を15年以上しています。年代や生活環境などによって住まいの探し方はさまざまです。特に年齢を重ねて生活スタイルが変わったり、体調に変化が出たりした理由から、リフォームや住み替える必要がある方の相談を数多く受けるようになりました。
父の介護が必要になったときの私もそうでしたが、初めて家族に介護が必要になって、リフォームや住み替えが必要になったとき、どんな住まいがいいのか想像できませんよね。住まい・暮らしの提案が仕事の不動産業者も、このことに詳しい人間はほとんどいないのが現実です。
だったら、そこに応えられる人間にわたしがなろうと決めて、老人ホームの入居や探し方を伝える相談員や介護現場での介護士を経験しました。
現在は、これまでの経験を活かし町の不動産業者として、さまざまな住み替えや老人ホームの入居に関する相談を承っています。
介護の現実は、決して容易なものではありません。抱え込んでしまうことで現役世代が疲弊し、体だけでなく心まで壊れてしまうこともあるのです。
そうなってしまう前に、知ってもらいたい3つのポイントがあります。
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