【無料で読める】微熱を残すキス

それは突然の再会だった。優は、勤める店に上客として現れたその男をよく知っていた。中学時代に自分をいじめていた先輩、圭吾。再び当時と変わらぬ激しさで執着してくる男に優は怯えた。だが、強引な圭吾の誘いを断れず会うたび、ふと見せられる優しさに恐れよりも強く惹かれる気持ちが募っていく……。

けれど男には美しい婚約者がいた。切ない胸の痛みを押し隠し、優はもう会わないと圭吾に告げるが――。

複雑な出生ゆえに臆病な優が、傲慢ながらも優しい圭吾から差し出される手に応えるには、さまざまな困難が待ち構えていた。