著者:山本 芳幸
ページ数:341

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2001年の9.11以前、当時、国連難民高等弁務官カブール事務所長であった著者は、現地でしか知り得ないアフガニスタンという国、歴史、民族、文化、宗教、そして国際社会のアフガニスタンに対する仕打ちを書き続けていた。そして、2001年9月11日、アフガニスタンから遠く離れたアメリカで同時多発テロが起きる。アフガン人が全く理解できないところで、国際社会はアフガニスタンを空爆することに熱狂し、アフガニスタンは崩壊した。その後のアフガニスタンの現実を無視した国際社会の”復興”のテンプレートは20年かけて壮絶な失敗を重ね、1989年ソ連がアフガニスタンから撤退した時と同じように、結局アメリカはタリバンに全てを放り投げ、2021年アフガニスタンを去っていった。

『カブール・ノート』増補版には、1)『カブール・ノート』が書かれる以前の私信、2)『カブール・ノート』の出版後に書かれた、あるいは書き損ねた『カブール・ノートII』となる予定だった断片、3)坂本龍一監修の『非戦』のための書き下ろし一編、4)村上龍との対談、5)9.11から一年後に書かれた記事、6)映画『アイ・ラブ・ピース』のために書かれた短編を含む。オリジナルの11万字から18万字への大幅増補。

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