著者:小さなヨハネ
ページ数:29

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まえがきより
今回はいよいよ再生についてです。人間の再生こそスウェーデンボルグの本論、いえ、キリスト教の目指す目的そのもの、神なる主の御意志そのものだと思います。私たちは再生することによってはじめて天界へ行けるからです。

しかし、それを説明するのは私には大変困難です。「内なる人」についても私はまだよく理解出来ていません。皆様も道の不案内な神風ドライバーの車に乗りたいとは決して思われないでしょう。

ですから『新しいエルサレムとその天界の教義』(静思社/柳瀬芳意訳)の再生に関する部分をご紹介します。これはスウェーデンボルグ自身が『天界の秘義』から教義の部分を要約し、参照箇所を示したインデックスあるいはコンコルダンスとも言うべきものです。

彼の本としては大部ではありません(全252頁)。しかし、参照箇所の掲載は膨大です。まことにスウェーデンボルグは中身が詰まっています。これを見ただけで彼が主から教わって書いたと言っているのが真実であることを窺わせます。人智による想像や単なる妄想でこれほど書けるとは到底思えません。内容は首尾一貫しており、知性、良識、誠実さに溢れています。スウェーデンボルグを推薦する所以です。

スウェーデンボルグの教義は早晩主流になると私は確信しています。新しい宗派や組織のことではありません。私たちのキリスト教(あるいは聖書)理解のうえでという意味です。その新しい理解のことをスウェーデンボルグは他の所でエフライムと言っています。ヨセフの子、マナセとエフライムはマナセが新しい意志、エフライムは新しい理解を意味します。

静思社/柳瀬芳意訳/イマヌエル・スエデンボルグ/聖書79 [2] 「聖言に対する理解は、その真のものも、誤ったものも、予言者の書には、特にホゼア書には、『エフライム』により記されている。なぜなら聖言には『エフライム』は教会における聖言の理解を意味するからである。それで聖言の理解が教会を作るため、エフライムは愛しい息子、歓ばれる子供(エレミヤ31・20)、長子(9節)、エホバの頭の力(詩篇60・7、108・8)、力あるもの(ゼカリア10・7)、弓で満ちている(9・13)と呼ばれ、エフライムの息子たちは、武具をつけ、弓を射る者(詩篇78・9)と呼ばれている。『弓』は聖言から発して誤謬と戦う教義を意味している。それでまた、エフライムはイスラエルの右手の方へ渡されて、祝福された。そしてまたルベンの代わりに受け入れられた(創世記48・5、11-15)。それ故、エフライムは、その兄弟マナセと共に(その父ヨセフの名の下に)、モーセにより、モーセがイスラエルの子孫を祝福したとき、凡ての者よりも称えられた(申命記3・13-17)。」

再生は悔い改めと不可分離、いえ、ほぼ同義ではないかと考えます。悔い改めを理解しないなら再生を理解することは困難です。しかし、少しでも話しを先に進めるために、霊的変化全体を意味していると思われる再生を先に取り上げました。ご参考になれば幸いです。

目次
まえがき
1.再生(新生)
2.生まれ出る前に父親を見た人は誰もいない・・・ヴァッスーラへの主の御言葉
3.悔い改めて生まれ変わること
4.『新しいエルサレムとその天界の教義』より
5.人は再び生まれないなら、神の国を見ることは出来ない(ヨハネ3・3)
6.霊的生命は神と隣人を愛することにあり、自然的生命は自分自身と世を愛することにある
7.自己愛と世間愛は遺伝悪となって子孫に伝えられる、遺伝悪は主から発している信仰と仁慈の生活によらない限り破られも変更されもしない
8.私たちは遺伝悪に更に悪を付け加えている、生まれ変わらない限り地獄に堕ちる
9.霊的生命に属した物を知らない限り再生することは出来ない、それは啓示から学ばなくてはならない
10.再生するためには多くの事柄を知らねばならない、知ることによってそれを考え、欲し、行い、かくて新しい生命を得ることが出来る
11.人間は内なる人(霊的な人)と外なる人(自然的な人)を持ち、各々再生しなくてはならない、再生しない人間のもとでは外なる、または自然的な人が支配し、内なる人が仕えている、再生すると逆転(転倒)する
12.人間がその凡ての善を快楽に、利得に、誇りにおき、憎悪と復讐に歓喜を覚え、自分自身の中にそれを確認する理由を探し求めるならば、そのときは外なる人が支配し、内なる人が仕えている、人間が良く、誠実に、公正に考え、また意志する[欲する]ことに、また外面的にも同じように話し、行うことに善と歓びとを認めるときは内なる人が支配し、外なる人が仕えている
13.内なる人が先ず主によって再生し、後に外なる人が再生する、後のものは前のものによって再生する、なぜなら内なる人は信仰と仁慈に属した事柄を考えることによって再生するが、外なる人はそうした事柄に従った生活によって再生するから
14.再生した人間はその内なる人の方面では天界にいて、そこで天使たちと共になっており、その天使たちの間に死後また入って来て、天界の生活を送る
15.補足、『天界の秘義』から膨大な参照箇所
16.私たちは詳細のすべてを学ばなくても良いと思われる
17.しかし、キリスト教を論じ、教えようとする研究者や教役者は学ぶ必要があると思われる、なぜなら主はニコデモに「イスラエルの教師でありながらこんなことが分からないのか」(ヨハネ3・10)と仰っているから、イスラエルとは霊的な人間という意味であり、私たちのこと
あとがき

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