著者:近藤駿介
ページ数:102

¥1,250¥0

「オプション」という言葉を聞いただけで、あるいは、横文字の専門用語が出て来たところで挫折してしまい思考停止になってしまう方が多いのではないでしょうか。それは、オプションを数学的に理解しようとしたり、相場から理解しようとしているからです。オプション取引の本質を理解するためのキーワードは「確率」です。「確率」というとまた難しく感じるかもしれませんが、天気予報の「降水確率」と同様で、数学的な理解など必要ありません。中学1年生までに習う四則演算が分かれば、どなたでも簡単に理解出来るものです。
本書は、数学的な説明や、損益図などを一切用いずに、オプション取引の本質を理解して頂こうと思って書き下ろしたものです。AIJ投資顧問の詐欺事件に関して、専門家達は「相場で勝ち続けることは出来ない」という理由でAIJ投資顧問の運用は怪しいと指摘しています。しかし、こうした指摘は専門家の説明としては、非論理的なものでしかありません。それは、専門家といわれる人達の殆どが、オプション取引の本質を理解していないからです。
本書を通してオプション取引の本質を理解すれば、AIJ投資顧問の「オプションの売建で安定した収益を確保します」という謳い文句が、論理的にあり得ないこと、矛盾だらけの説明であることを理解して頂けるはずです。
オプション取引に興味を持たれている方、実際に資産運用業務に携わっている方、ファンドマネージャーを目指される方に、是非目を通して頂きたいと思います。

【 目 次 】
はじめに

Ⅰ)オプションの本質は「確率」である

「買う権利を売る…?」「売る権利を売る…?」
儲かるどころか、損失が出た「とりあえずコールの買い」
オプション取引を理解するためのキーワードは「確率」である

Ⅱ)ボラティリティとは何か

「ボラティリティ」とは、単に「価格変動の大きさを数字で表したもの」
数学に対する過信とコンプレックスが引き起こす、幻想と妄想
「ボラティリティ」と「確率」
「ボラティリティ」とオプション価格 ~「ボラティリティ」が高い方が価格も高い
オプションの価値は、「権利行使出来る確率」=「権利行使される確率」で決まる
期間が長いほど「可能性」も高くなる

Ⅲ)デルタとは何か

オプション取引固有のカタカナ専門用語は「暗記」するな
「デルタ」とは、「権利行使出来る確率」を示したものである
原資産の株価が権利行使価格と同じ時、そのオプションが権利行使出来る確率は50%である
原資産価格が、権利行使価格から離れると「権利行使出来る確率」は…
コールオプションの「デルタ」の特徴
「可能性の変化」と「プレムアムの変化」
プットオプションの「デルタ」 ~違いは「負の数」
原資産価格の方向と「権利行使される確率」

Ⅳ)ガンマとは何か

「ガンマ」も「権利行使出来る確率」で考える
「ガンマ」は受験生の心境の如く

Ⅴ)シータとは何か

オプションの価値は、「現実」と「期待」の合計で決まる
「時間的価値」を生み出す源泉は、「ボラティリティ」と「時間」である
「可能性」は「時間」が残されているほど膨らみ、「時間」の経過とともに萎んで行く
「シータ」は「大魔神」のフォークのごとし

Ⅵ)ベガとは何か

「ボラティリティ」の上昇は、オプションの価値を上げる
「ベガ」の本質は「台風の予想進路」

Ⅶ)オプションを利用したデルタトレーディング

「デルタ」とは「実質的持ち高」を示すものである
価格の変動に伴って「実質的持ち高」が変化する
デルタトレーディング
ポジティブガンマ
「ネガティブガンマ」でのデルタトレーディング

Ⅷ)AIJ投資顧問が並び立てた嘘

ただより高くつく「オプションの売り」
「正確な相場観」を示せるシステムで「安定した収益」を確保する?
「ディープ・アウト・オブ・ザ・マネー」の売りでは安定収益は得られない
長期オプションの売りでも安定収益は得られない
オプション取引の現実を知らない専門家
オプションの売建では損失は取り戻せない

最後に

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