著者:菅沼 聖也
ページ数:210

¥1,045¥0

【まえがき】より
 本書は、日ごろIT系の契約実務に携わっている読者を念頭に、システム開発委託契約の主要トピック(条項)について「解説」したものである。面倒な法律論が出てくる部分もあるが、法務部門の方だけでなく、IT部門の方も是非ご覧になっていただきたい。

 本書の類書にない特徴は、以下の二点である。
 まず一点は、ユーザとベンダのいずれか一方の立場に立つのではなく、双方の主張を仮想ディベートの形で競い合わせたことである。これは、相手方の出方も知っておく必要があるから、というだけのことではない。対立の厳しいテーマでは、物事の両面を見なければ、本当のところは理解できないということである。当然だと思っていた考え方が、実はかなり偏ったものであったり、根拠に乏しいものであったりすることは、意外に良くあることである。
 もう一点は、システム開発委託契約のトピックを広く薄く扱うのではなく、多段階契約、請負/準委任、再委託、検収、契約不適合責任、著作権、損害賠償など、主要トピックに絞って、これを徹底して掘り下げたことである。実際、契約実務で厳しい交渉の対象となり、法律面でもIT面でも大きな違いを生じさせるのは、一握りの重要条項である。そこで、重要性がそれほどではないトピックはひとまずおいて、契約管理や開発プロジェクトの現場で日々出くわす実務的な問題に焦点を合わせている。

【目次】より
1.多段階契約(工程の独立性と関連性/見積精度の向上/履行単位の細分化/開発途中での契約終了)
2.請負/準委任(システム開発での原則類型/(超)上流工程の契約類型/システムテスト以降の契約類型/データ移行の契約類型)
3.支払条件(支払期日と支払遅延/下請法の適用関係/後払の原則と中間金)
4.再委託(ユーザの関心と関与/再委託の許容性/再委託の必要性)
5.変更管理(工数基準 vs. 契約内容基準/追加変更の意思表示/開発スコープと仕様変更/変更管理手続の実際)
6.検収(検収基準のあり方/不具合と検収の可否/ベンダのテストとユーザの検査/修正サイクルと納期の関係)
7.契約不適合責任(契約不適合と検収の関係/「契約不適合」とは何か/担保期間とその起算点/契約不適合の修正期限)
8.著作権(著作権の帰属を巡る制度論/秘密保持のための著作権/なぜ著作権が必要なのか/汎用的な利用が可能なプログラム)
9.秘密保持(注意義務の程度/秘密保持の期間/秘密保持の対象範囲)
10.損害賠償(賠償制限の原則論/システム開発に固有のリスク/損害回避のための努力/賠償額の水準)
11.仕様書(「仕様書」の意義/「仕様書」の内容/契約書への文書添付)
付録.平成29年債権法改正の概要(消滅時効/損害賠償責任/契約解除/契約不適合責任/その他)

【ご注意】
・「無料サンプル」により書籍内容を良くご確認のうえ、ご購入ください。
・本書中の外部リンクは発行時点のもので、その後変更されている可能性があります。

【改訂履歴】
・Ver1.0 初版発行。
・Ver2.0 第二版発行。平成29年債権法改正に対応。

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