著者:佐賀純一
ページ数:299

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茨城県土浦市にある寂れた小さな神社。そこで著者が見つけたのは、胸をあらわにして男(?)に乳を飲ませている若い女性の彫刻だった。江戸時代のものと思われるその奇妙な彫刻がいったい何を表しているのか、著者の謎解きの旅はここから始まった。著者は筑波山麓の神社仏閣を訪ね歩き、同じモチーフの彫刻をあちこちで見つける。そしてそれが大聖天歓喜天という男女和合の密教仏に関連しているらしいと知った著者は、密教の原点である古代インドのヒンズー教を調べ、空海が伝えた密教を学び、膨大な日本の古典を読み、源氏物語に代表される平安時代の日本文化は密教と深く関わっていたことを明らかにする。そして筑波山に奈良時代からあった嬥歌(かがい)と呼ばれる男女乱交の風習が、この地域に多くの密教寺院が残されたことの一因であったと推測する。
 茨城県桜川市真壁町にある八柱神社は、明治の廃仏毀釈前までは金剛院という密教の寺院であったが、その聖天堂は日光東照宮に勝るとも劣らない壁面彫刻で覆い尽くされている。その彫刻の解読のため、著者は中国の古典を読み、それぞれのモチーフを明らかにするが、ここにも男女和合が幸福にいたる鍵であるとする密教が深く関わっていた。
 胸をはだけた女性の彫刻がなぜ神社仏閣にあるのか、その謎から始まった旅は、著者と読者を古代インドへと誘い、奈良、平安、江戸時代を経て、現代の日本にたどり着く。日本文化の原点を探す旅へ、ようこそ。

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