著者:沖野正宏
ページ数:93

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 1999年東京。僕らはたしかにそこにいた。

 とある事件をきっかけに、言葉を失い木造アパートの押入れで大麻を栽培しながら老人のように静かに暮らすケンジ。彼と現実をつなぐものは1台のビデオカメラだけだった。生きているのか死んでいるのかさえわからないケンジの前に現れたのは、同じように傷つきもがくユキオとアキラ。彼らは夜な夜な路地裏で酔い潰れるサラリーマンを襲撃しては、その暴力現場をビデオに収めて行く。ガンジャの煙と血の匂い、そして祈り。世紀末を生きる若者たちの路地裏青春小説。

 全てはここにありここに帰る。鬼才沖野正宏a.k.a.DUB-Oの原点であり処女作。HOTMILK!!BOOKSより電子書籍として復刻!

著者紹介

 沖野正宏(DUB-O)

 最後のNUT-MEGクルー。1番最初の仕事はRUN DMCのTシャツ売り(WITH:ONYX)伝説のライブハウス代々木チョコレートシティでの超下っ端暮らしを経て、渋谷系の聖地宇田川町ノア渋谷にて事務所勤務となる。昼間はピアニカ前田/ピラニアンズのマネージャーをしながら、夜は代チョコ隣の打ち上げ専門店PM9にて焼きそばを作ったり、酒を出したりと私生活ゼロの20代前半を送る。その後事務所を移籍、ロックバンドプロペラを担当。当時のワーナーミュージック1推しとして多忙すぎてノイローゼになりそうなくらい私生活ゼロの20代後半を送る。

 1997年インディーズレーベルHOTMILK!!RECORDSを立ち上げ、ネタンダーズ、ミラクルマン等のCDリリースや各種イベントを企画。全く食えなくなり、治験バイトや工事現場での日雇い仕事をしながら活動を続ける。

 2000年都会の暮らしに疲れはて、ニーネ大塚氏の誘いにより東小金井のみどり荘に移住。音楽シーンからは距離を置き小説の執筆に専念するつもりであったが、ニーネ、ミラクルマン、スタンド、sunzriver、あんずノオトらと武蔵野バイトサウンドを立ち上げ、郊外のしょんぼりした若者たちからなんとも言えない支持を得る。

 2001年9月11日 ニューヨーク全米同時多発テロのテレビ映像にショックを受けながら、パンクバンドみどり荘アンダーグラウンドを結成。30歳過ぎてギター教則本を見ながらギター練習をするも全く上達せず。その下手さ加減が逆に胸を打つとオナニーマシーン、サンボマスターなどに気に入られ、ちょくちょくイベントに誘われるようになる。音楽雑誌インディーズイシューにて「真夜中のレインボー」というコラムを連載。ラッパーECD氏へのインタビューなど、びみょうな執筆活動を行う。

 あまりにも食えなくて、うつ病になりかけたり、失恋したりと煮え切らない生活を送りながらも小説の執筆を続け、文藝新人賞の予選は通過するようになったが「これで受賞は決まったろ!」と送った自信作がまさかの切手貼り忘れにより未発送。返却された原稿が雨の中ポストからはみ出てびしょ濡れになっているのを見て「ああ、そういうことか」と納得。残りの30代は死んでるように過ごす。誰にも会わず、誰とも話せなくなり、このままじゃ本当に死んじまうなと自覚。リハビリのためのソロアルバム「blackbird diaries」を制作。少しづつ自分を取り戻して行く。THE DUBLETTERS、KILL THE POST を経てコトリブラックバード結成。

 現在はコトリブラックバード(バンド)ダブリーヌ・ドヌーヴ(ソロ)としての音楽活動、HOTMILK!!RECORDS、HOTMILK!!BOOKSの運営と多忙な日々を送りながら、武蔵野の外れで意外と楽しい40代生活を謳歌中。

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