著者:林 時江
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【はじめに】
長年風雪に耐え、思い出の詰まった古民家を改修して住み継ぎたいが、それは果たして可能なのだろうか、再生を諦めるかを迷われている人も多い。確かに建築後1世紀を経た建物の多くは老朽化がいちじるしく、次々と解体されているのが現状だ。しかし慎重に調査分析・診断した上で、適切な技術をもって再構築すれば生まれかわれる古民家はたくさんある。
昔の家といえばすぐに暗い・寒い・使いづらいといったデメリットが挙げられる。だが古民家をただ元通りに修理復元するのではなく、現代のライフスタイルにマッチするような快適さや空間設計を施せば、さらにもう1世紀住み続けていくことができる。もちろん用いる素材は無垢材や本物の漆喰といった天然素材が馴染む。外観もできるだけ元のイメージに復元。さらに吹き抜けを設け明るさを確保。間取りは家族の人数・生活スタイルに合わせて再構築や減築。さらに耐震性能・断熱性能をきっちり上げて快適性を確保する。
古民家を再構築するからこそ、日本の伝統的な建築文化や技術が継承可能になり、さらに持続可能な循環型社会の実現にも貢献できる。古民家に住み、問題に直面し悩んでいる人に少しでも情報を発信できればと思う。
【目 次】
はじめに
第1章 築110年の古民家を次世代に継承
1、再構築に至るまで
2、養蚕農家の面影を残したい
3、ヒートショックで突然死を心配する家
4、地震にも安心
5、風の通りぬける明るい家
6、老夫婦の生活に合わせ使いやすく
7、老舗旅館の雰囲気に
8、その他の部屋
9、再利用で雰囲気もレトロな味わいに
10、1世紀を生き抜いた我が家が蘇った
第2章 築80年旧家屋の記憶を次世代に継承する養蚕農家の移築
1、区画整理で移築を決意
2、代々受け継いできた愛着のある住まいをいよいよ解体
3、暗くて寒い部屋を解消し快適空間に
4、光がふりそそぐ空間として蘇った
最終章 古民家再生の流れ
あとがき
著者プロフィール
【著者について】
林 時江 2級建築士、宅地建物取引士、住環境福祉コーディネーター
1981年全く畑の違う建築という分野に関わるところへ嫁ぐ。見るもの聞くもの全てが難しい単語ばかりだったが、好奇心が私を駆り立て、どんどんと深みにはまっていき2級建築士・宅地建物取引士・住環境福祉コーディネーター等の資格を取得。その後、1級建築士を目指すも3人の子供(3歳の双子と6歳)の育児、家事、仕事を両立させながらという環境では困難と考え断念。その後も子育ての傍ら勉強を重ねて、時代の流れの中での住宅を常に考え試行錯誤を繰り返してきた。年を重ねていくうちに、古民家の持つ懐かしさや心の安らぐ空間に魅力を感じるようになり、「古民家再構築ビフォー・アフター」を書くきっかけにもなった。今回伝えられなかった古民家再構築については次回、電子書籍にて出版しますのでお楽しみにしていて下さい。
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