【無料で読める】理趣経と理趣釈

真言密教の最も重要な経典とされる理趣経と、その理解のために必ず読むことが求められる理趣釈を書き下しました。
理趣経と合わせて理趣釈を載せることで便宜を図っています。
この本はあえて現代語訳をしていません。
なぜなら原文の意味が訳者によってねじ曲げられてしまうからです。
どのような研究者であっても現代語訳には人生観や宗教観が必ず作用します。
たとえば「救済」という言葉ひとつ取り上げてみても、「御ほとけによって極楽に導かれる」と訳する先生もいらっしゃれば、「人生の苦しみから解放された姿」と訳される先生もいらっしゃいます。
この２つの訳の意味は大きく違いますよね？
どの先生の訳されたものをお読みになられても良いと思いますが、現代語訳を読んだ途端に原文がそのようにしか読めなくなる弊害があります。
大切なのは「読みやすさ」ではなく、自分で辞書を引くなりして自分で理解することなのではないかと思います。
それがあなたの仏教で、それがあなたの悟りです。
自分で一歩一歩進んでいくことが仏の教えのスタートラインだと考えています。
これを機会に深遠な理趣経の世界に浸ってもらえたらと思っています。
なお訓点は江戸期の版木を下地としているため現代のものとは異なる場合があることをご了承ください。