一生役立つブッダの育児マニュアル: 親の「どうしたら？」と子供の「どうして？」に答えを出します シリーズ心を育てる本

「子供は、私の「何者」でもありません。子供は社会人なのです。一番立派なのは「ひとりの地球人」という風に育てることです。そのように育てることができれば、素晴らしい人間になるだろうと思います。「あなたは地球に生まれてきた。地球の一員である。地球のおかげで生きているのだから、地球上の人に対して、地球上の生き物に対して、果たさなくてはいけない仕事がいっぱいあるんだよ」ということを教えてあげられれば、その親の教えは一生役に立つのです。」（本文より）

子育てをテーマにしたスマナサーラ長老の著作のなかでも定番といえる一冊です。冒頭で、育児の基本となる「人生の目的」について問い直し、現代人を悩ます子育てに関する固定観念を巧みに解きほぐします。中盤から後半にかけては、吉祥経などのパーリ経典から子育ての極意を学びます。締めくくりに登場するラーフラ尊者と父であるお釈迦さまの対話は本当に感動的です。巻末収録された小学三年生の女の子から長老への９の質問も、はっとさせられる内容で、子育ての当事者以外にも勉強になることが多い作品です。

目次
１　両親は最初の先生
　一人前になるってどういうこと？
　「人生の目的」を入れ替える
　親は子供の最初の教師
２　子供は大学
　親の仕事は子供を社会人にすること
　親は未経験の教師
　子供が与える研究課題
　子供の性格を見極める
３　道徳を教える、慈しみで育てる
　ボクはどこから来たの？
　親は漫才師になろう
　子供は論理的な生き物である
　親が教える道徳は宝物
　愛情を捨てて「慈しみ」で育てる
４　経典に説かれた人間論と子育てのポイント
　一人前になるための条件――吉祥経１
　大人の務めと人生の最終目標――吉祥経２
　親の役目・子の役目――六方礼経
　お釈迦さまと息子の対話――スッタニパータ
５　小学三年生からお坊さんへの質問
　Ｑ１　私は何のために生まれてきたのですか？
　Ｑ２　今何をすればいいのですか？
　Ｑ３　今はどんな生活をすればいいのですか？
　Ｑ４　今の人気があるのはなんでですか？
　Ｑ５　お母さんがどんなに大切なのですか？
　Ｑ６　なんで人は笑うんですか？
　Ｑ７　なんで人は泣くんですか？
　Ｑ８　お金はどんなものですか？
　Ｑ９　今何を勉強すればいいのですか？