著者:立花 幻夏
ページ数:131

¥480¥0

 かつて、北陸本線直江津口に郷津(ごうづ)という駅がありました。北陸・信越本線全線電化開業で知られる、1969年10月のダイヤ改正で廃止された、「電化と共に消えた駅」です。同線の直江津~谷浜間は、電化時に新線へ移設されたため、旧線に位置する郷津駅は最終日まで、何ら手を加えられることなく、往年の姿を保ち続けていました。その最後の夏の様子を、駅の姿を中心に再現したもので、他に、43・10直前の北陸本線米原口、また44・10直前の信越本線直江津口などの様子を併せて収録し、70余点のモノクロ(含:カラー数点)写真と、図・エッセイなどで綴った「鉄道フォト・アンソロジー」です。「史実を脳裏に思い描けるよう、語り部のように語り伝えてみたい。」というコンセプトの下に書き下ろしました。
 当時の鉄道事情に、時代背景や世情、さらに遡った歴史なども掘り下げ、詩情を織り交ぜてフォト・エッセイ風に描き、写真と文章を併せて楽しんで頂くことを念頭に置いています。
 本書は、「1.北陸本線米原口点描:米原~長浜」・「2.郷津駅の遠い夏:北陸本線・郷津駅とその周辺」・「3.信越本線全線電化直前の頃:直江津~笠島」(目次より)……という順序で構成されています。これは各章の内部構成も含め、全体として下り列車に乗って進むことをイメージした編集です。
 写真と図で解説する田村駅の交直接続の様子、ED70からEF70に至る車両の「顔」の変遷、名作「しらなみ」を詠った中野重治の乗っていた「汽車」の考察、写真と図で解説する郷津駅の姿、そして電化開業直前の直江津~笠島の様子、新潟に至る鉄道の波乱に満ちた歴史など……、様々な描写や語りを楽しんで頂きたいと思います。

※基本的に、16ベースの写真データによる「1枚の大きな写真」と、「エッセイ風の解説」とを、1頁単位の固定レイアウトで編集しましたが、KDPでは「文字の大きさ」と「頁の幅」が可変であり、その拡大率の設定によっては、写真タイトルや文章の一部が次頁に移動したり、また1行の文字数が増え過ぎるなど、読み難くなることもありますので、ご留意下さい。

※1頁単位の情報量が大きいため「単頁設定」&「全画面表示」を推奨しています。

 なお、本書はシリーズ「Railway Photo Anthology:1970 before and after」の第2集として出版しており、第1集「碓氷峠の残像:1968-1969」・第3集「日中線・磐越西線・米坂線:1969-1970」と併せて、お楽しみ頂ければ幸いに思います。

 追記:本書は、2018年3月初版発行。最新版は、2021年2月改訂の第4版になります。

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