著者:一理想主義者
ページ数:509

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18世紀の歴史哲学者であったビコーは7つの古代文明を検証し、文明は政治主権が不在の状況である野蛮時代から宗教的権威による支配、さらに君主による武力支配の時代を経て人民主権へと移行し、最後に野蛮時代に戻るという周期をたどると結論した。

この周期を西洋文明に当てはめてみると、西洋は第一の周期の末期にギリシャ文明とローマ文明が民主政治の崩壊により崩壊し野蛮時代を迎えた。その間キリスト教が台頭し、強い政治的影響力を持つようになる。しかし軍事的権威に頼る国家も発展し、11世紀から17世紀にかけて両者は当初協調的な関係を持つがしだいに覇権を争うようになり、王政による国家が政治権力を掌握することとなった。しかしその抑圧的支配は永久には続かず、19世紀から徐々に民主化が行われるようになり、20世紀には民主国家が主流となった。21世紀に入って、民主国家はギリシャの被った衆愚政治化の兆候を示し始めている。

この過程で注目されるべきことは権力の移行期に壊滅的な武力闘争が起こっていることである。宗教的主権が軍事的主権に移行する際には当時では最も壊滅的となった三十年戦争が引き起こされ、民主化の過程では第一次・第二次世界大戦が引き起こされている。

この観点から見ると、現代社会は三重の問題に直面していることになる。西洋文明の衆愚政治化の兆候に加えて、中国は民主過程に、さらにイスラム社会は宗教主権から軍事主権への移行過程にあり、三過程が同時に進行しているということは非常に対応の難しい問題である。個々の問題でさえ難しいが、これが連動すると、国際社会にとって多大な損害となりかねないので是非防がなければならない。

本書は哲学、宗教、科学、芸術と歴史を抱合した包括的思想体系をこの世界的惨事防止対策の第一歩として提案する。また、近来の学会での専門分野の分立の傾向に対抗し、恒久平和設立に必要な包括的知識を備えた『形而上工学者』を創出することが急遽必要であると主張する。

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