著者:はなたびと
ページ数:69

¥280¥0

本書は2018年12月に、夫婦バックパッカーとしてインドネシアのマルク州を旅した時の記録と随筆です。アンボン島アンボン市からバンダ島(Bandaneira)→ハッタ島→バンダ島(再上陸)→カイ諸島という旅路です。本書では時系列ではなく島ごとにセクションを区切っているため、時間的には前後する部分があります。

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「ねえ、見て! あれ!」
夫は目をこすりながら体を起こしたが、すぐに行動を起こした。母屋の方へ向かって走る!
「ジム! ドルフィン!」
     _________「誕生日の贈り物」より抜粋

「速く、速く、もっと速く!」
 私は心の中で祈った。
 彼の身につけた長い尾ひれが、彼の泳ぎを加速する。ぐんぐんとイルカの黒い群れの方へ進んでいく彼を目で追いながら、彼ならイルカたちと合流できるかもしれないと思った。
     _________「イルカを追う男」より抜粋

彼は自分の椅子を引き寄せて、近くでささやくように言った。
「知ってるか? この土地では、ほんの15年前までキリスト教徒とイスラム教徒の殺し合いが行われていたんだぜ」
遠くで、また稲妻が光った。
     _________「水平線の稲妻」より抜粋

目次:
アンボン島
ジオラマ
シンプルな幸せ

狂気に駆り立てるもの
白い蘭
コーヒーとシュガーエフェクト
色彩の小地区
私達はマイノリティ
ハッタ島(Pulau Hatta)
老人と海
バンガローと銃声
イスラムのしるし
水平線の稲妻
シュノーケリングができない
誕生日の贈り物
犬のいない島
旅人の別れ
山のバンガローと海のバンガロー
イルカを追う男
海の嵐
スパイスアイランド
アジア人から日本人になった私
船が出る
バンダ島(Banda Naira)
若者の島々
プラスチックと戦う
マラリアピルと悪夢
ナイフを持つ子供たち
海辺の部屋で
ジゴロ
溶岩の流れ込む海
ナツメグの情熱
不幸中の幸い
カイ諸島
大型客船NGGAPLU
滿汐
生と死と海とわたし
雨がやってくる
雷雨
笑うヤモリ
日本語を話す人々
太陽の人々
月の支配
ネコのいない島
あとがき:色彩の島々

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