著者:高野富久美
ページ数:81

¥550¥0

 
序章「糖尿病は必ず良くなる」

 大阪・奈良・名古屋・東京・大分・博多・鳥取・愛媛~今日も全国各地でメディカルダイエットカウンセラースクールがズーム開催されています。新型コロナウイルスの影響でセミナー会場でのスクール参加が厳しかった中でも、ご自宅で食の真実を学び実践、健康で過ごすことを願う方が増えているのは喜ばしいことです。免疫力を高め、新型コロナウイルスに負けない強い身体や心を養うにはまず『食事』が大切です。この本を通じてご自分やご家族の食の在り方を見直していただくきっかけになれば幸いです。

 私は管理栄養士として医療機関に勤めておりましたが、現在はメディカルダイエットカウンセラースクール講師として全国の皆様に病気になる前の予防の食事を普及する活動を行っております。以前勤務していた病院に来られる患者様は感染症の方は少なく生活習慣病の中でも糖尿病の方が大半でした。

 私は『総カロリー制限とバランスの良い食事』という糖尿病の一般的な食事療法にて食事相談をさせていただいており、それに併せて運動療法や投薬・インスリン投与といった薬剤治療も行っていました。たとえ糖尿病の合併症を遅らせることはできても、残念ながら人工透析を余儀なくされたり、失明や下肢切断に至られたりという患者様が後を絶ちませんでした。

 現在でも新たに人工透析治療を始められる患者様が全国で年間3万人以上。そのうちの約半数が糖尿病性腎症によるものと言われています。インスリンが絶対的な救世主であるならば、このような状況に陥っていないはずです。ちなみに私が勤務していた病院は腎臓移植において我が国有数の実績を有し、患者様が全国から来院されるほど。それでも、糖尿病で腎臓を壊され腎臓を移植したにも関わらず糖尿病を克服できずに腎不全を再発し、透析生活に戻るという悲劇に見舞われた患者様の姿を、私は大勢見てきました。どうしたら糖尿病を抑え込むことができるのか? と思い悩んでいた時、泌尿器科の万波誠先生から『糖質制限療法(食)』の話をお伺いしたのです。血糖値を上げなければ糖尿病は抑え込める。血糖値を上げる唯一の栄養素は『糖質』なのだから『糖質』を摂らなければ血糖値は上がらない。考えてみれば実にシンプルで当たり前の話です。食事は炭水化物(糖質+食物繊維)60%・たんぱく質20%・脂質20%の三大栄養素をバランス良く摂ることが基本と教えられて管理栄養士になった私にとって、『糖質制限食』の話は実に衝撃的でした。

 まだ世の中で糖質制限食が認知されていない時期で、エビデンスもなく、当時は集団給食で糖質制限食を積極的に行っている病院もなく、まして腎臓移植後すぐの患者様に糖質制限食を提供して果たして良いものか? 万波誠先生とはかなりのバトルを行ってきたことは、今でも鮮明に思い出されます。しかし万波誠先生は「患者を救う道は『糖質制限食』しかない。腎臓移植後に徹底して糖質を絶たないと移植した腎臓が長持ちをしない。糖尿病を克服しない限り本当の意味で患者を助けることはできない。」と何度も繰り返し言われる信念に後押しされて、本格的に『糖質制限食』の研究と実施を始めたのが今から15年前のこと。

 以来数多くの患者様に『糖質制限食』を実施していただき、私自身も驚くほどの成果を挙げてきました。腎臓病で入院する全国の患者様から「腎臓を治してもらおうと思っていたら、糖尿病まで良くなった。」「食事療法だけで長年打っていたインスリン注射を止めても血糖値が正常になって夢のよう。」などの喜びの声をいただくようになりました。また糖尿病で苦しんでいる一人でも多くの患者様にこの食事療法を伝えてほしいとのご意見も多数いただきました。そのような声にお応えするため、病院を退職後は一般の皆様に糖質制限食を取り入れた食事療法を伝える活動を始めて4年目になります。そんな折、新型コロナウイルスの感染拡大に震え上がる今日、自分や家族の健康を守るためにどのような食事をすればいいのか? 予防=食事がキーワードになるのではないかと痛感しております。コンビニ食品や外食のみでは生活習慣病や感染症の予防ができないこと、家庭での『糖質制限食』がいかに重要かをこの機会に学んでいただけると幸いです。

目次
序章「糖尿病は必ず良くなる」
第一章糖尿病の始まり
  糖中毒に侵されている
  糖質の過剰摂取の弊害
  インスリンの作用
  血糖値スパイク その一
  血糖値スパイク その二
  糖尿病の投薬治療を早まらないで

第二章身体に必要な栄養素
  糖質は必須栄養素なのか?
  卵や肉は悪役?それとも味方?
  一日に必要なタンパク質の量について
  脂質(油)の真実
  脂質が主なるエネルギー源
  ケトン体臭は気にしない

第三章伝えたい想い
  糖尿病で苦しんだ方のメッセージ
 《70歳で生まれ変わり人生の再スタート》
 《医療従事者で腎移植後は自己管理》
 《私の失敗を伝えていきたい》
 《大豆・枝豆・豆腐でハッピー》
  医師の熱い想い

第四章糖質制限食の実践
  食事改善は重続して楽しもう
 「硬い肉を柔らかく焼く方法」
  糖質制限食の献立の展開
  低糖質パンの利用
  外食の選び方

第五章これからの糖質制限
  プロテイン療法
  腸内環境を整えて免疫力アップ
  気持ちの持ち方
  最後に
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プロフィール
監修
医師 荒木 裕(あらき ひろし)
1962年 京都大学医学部卒
1967年 京都大学医学部大学院卒
1968年 大阪北野病院勤務
1971年 アメリカハーバード大学付属小児科脳神経外科研修医
1973年 アメリカハーバード大学医学部臨床栄養学部准教授
1976年 アメリカ国立公衆衛生研究(NIH)客員研究員
1977年 アメリカサウスカロライナ大学医学部勤務
1983年 崇高クリニック開設
〈著書〉
『新!断糖宣言』『インスリンも薬もやめられた!すごい糖尿病治療」『肉食健康ダイエット』『薬もインスリンもやめられた!新しい糖尿病治療』『肉食ダイエット』『「うつ」は炭水化物をやめれば薬なしでよくなる』『ガンを自宅の食事で治す法』

監修
医師 万波 誠(まんなみ まこと)
岡山県出身山口大学医学部卒業
1970年 愛媛県宇和島市立病院 勤務
1975年 アメリカ合衆国ウィスコンシン大学留学
インドネシア出身のオランダ人外科医ベルツァーの元で腎臓移植を学び、その後日本に帰国
1977年 宇和島市立病院にて初の腎臓移植手術を行う
2004年 宇和島徳洲会病院 泌尿器科部長
腎移臓移植件数は通算1000件を超え、ギネスブックの大記録を打ち立てる

著者
メディカルダイエットカウンセラースクール代表 管理栄養士
高野富久美
愛媛県宇和島市生まれ。
愛媛大学医学部付属病院勤務6年間、
腎臓移植で有名な民間病院勤務13年間を経て、
年間の延べ約2600名の患者様の食事相談を実施する。
すでに15年前から「糖質制限食」 を広めている糖質制限元祖管理栄養士。
糖尿病で苦しむ方を無くす活動に使命を燃やし、現在はメディカルダイエットカウンセラーとして全国の皆さんへ食事と心の持ち方が健康に繋がるアドバイスのスクールや個人食事相談を実施している。

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