著者:二見龍
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防衛大学校の先輩に山岳部にネパールでの登山を経験した人がいます。昼食を共にしている時、「二見君、5000メートルを超えたところで活動できる人は、なかなかいないんだよ。ましてや、6000メートルを超える山を登れるのは、神に選ばれた人だけなんだよ」と話してくれました。神に選ばれた人、5000メートル、6000メートルという言葉が頭に焼き付いたことを記憶しています。
酸素が薄いところで行動することの厳しさは、体験した人でないとイメージすらできないものだと思います。体験したことがなければわからない世界を、大したことはしていないという感じで、極めて厳しい状況を淡々と話します。

「高山病はどうでしたか?」と質問してみても、「私は大丈夫でした」と答えますが、話をしていくと登攀のすべてが予想以上の状況であったことがわかりました。
実際に、高山病にかかった人は、水も飲むことができず、頭痛や意識混濁の状態になります。帰国してもその時の状態の記憶がないほど、命にかかわる状況になる人もいるようです。

齋藤氏は「チベットなんだけど行ってみる」と誘われ、軽い気持ちでいくことになり、出発までに登攀技術の取得やトレーニングを積み万全を期して現地に向かいました。
現地では様々なトラブルに見舞われながらも、最後は最終アタック要員として、隊長に選抜され、頂を目指すことができるところまで成長したのです。

そして、家にはテレビ番組「サスケ」に出て上位入賞を狙うのではないかというようなトレーニング施設を作ってしまう男です。年齢も若く、これから、多くの未踏峰の記録を作っていく人物だと直感的に感じました。
さらに、彼はこれから伸びていくと実感しました。なぜならば、謙虚であり、自慢を一切しないという人生に対する姿勢を貫いているからです。

また、近いうちにネパールへ行く齋藤氏は、二見龍に新たな世界を切り開いてくれるとともに、多くの教訓を示していただけると思います。さらに、経験を積み上げていくうちに、凄い世界を語ってもらえるでしょう。
今後の展開が楽しみです。二見龍として、齋藤氏を応援していきたいと考えています。

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