著者:高山 悠
ページ数:55

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本の紹介
日本のでん粉供給量の約9割を占めるコーンインダストリー(コーンスターチ産業)は、1950年に日本食品化工㈱が愛知県の半田市で、コーンから湿式処理法によりコーンスターチ(でん粉)を製造したのが初めてでした。以後70年を経て生産者も11社14工場に、市場規模も4,000億円にまで発展し、今や砂糖産業を凌ぐまでになっています。

その上昇も2000年を境にして、相次ぐ不祥事とコーン製品に対する逆風から、生産量が10%ほどの減少を見せています。コーンスターチは、コーンを原料とした食品素材ですが、その3分の2を占める糖化製品(異性化糖、水あめ、ブドウ糖など)以外にも、ビールや製菓用素材などの食品向け、さらには製紙・段ボールなどの非食品工業用など多岐にわたり、日本経済の底辺を支える重要な産業になっています。

そのコーンスターチ生産会社が、今存亡をかけた苦境に立たされています。生産設備に広大な土地と良質な水を必要とし、浸漬から分離、乾燥まで多大なエネルギーを消費するコーンインダストリーが、地域環境にどれだけ負荷を与えているのか、脱炭素にどう対応してゆくのか、その責任が問われています。

さらに世界的な資源価格の上昇で、シカゴ市場でのコーン相場も大幅に上昇し、海上運賃、原油まで値上がりして、生産コスト上昇は避けられません。原料価格の上昇は、コーンの最大生産国であるアメリカで、その半分までがエタノールに転換され、エネルギーとして消費されているところから、相場上昇が一過性に終わることはないでしょう。

この本は、一時期その頂点に立った企業が、SDGsによってどのように評価されるのかを、可能な限りの情報を収集し論評しております。脱炭素と原料高は、コーンインダストリーばかりではありません。原料を輸入し産業の基礎資材を生産するすべての産業の問題です。その解決法の一端を提供するものとしてぜひご覧いただきたいと存じます。

著者の紹介
高山 悠は、1959年から1994年までの35年の間この業界に籍を置き、コーンインダストリーの発展に尽力しました。退職後は、趣味で初めた「物書き」を通じて、登山、小説、株式投資など、多方面で著書を残していますが、最近では、株のSNSなどに投稿した企業分析などが評判となっています。

著書の紹介
2015年5月 アマゾンインターナショナルより「波乗り投資法:ためるふやすあそぶ」刊行
2019年1月 アマゾン社より「日本におけるコーンインダストリーの栄枯盛衰」刊行

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