著者:甲斐武
ページ数:146

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「はじめに」部分から内容を紹介します。

「株式投資羅針盤2021年8月版」です。
個人投資家の銘柄発掘のお手伝いのための本としてほぼ毎月初めに出版しています。この「2021年8月版」は2021年7月30日(金曜日)までのマーケットを見て書き始めましたが、出版までに新しいニュースが出てくればできるだけ反映させるようにしています。

個別銘柄の投資魅力をわかりやすく説明するため多くのグラフや表を使い、また直近月末(7月末)の株価や時価総額、7月末までの1年、2年、3年、5年、10年間の株価騰落率を掲載しています。
この本では比較的小型の成長株を中心に銘柄を紹介しています。いま時価総額が大きくなっているトヨタ自動車やソニーも最初から現在のように時価総額の大きい大企業だったわけではありません。
最初はベンチャー企業としてスタートしたものが現在の姿のように成長したものなのです。

世界を見渡してもここ数十年で急成長したアップルやアマゾン、アルファベット(グーグル)もすべて小さなベンチャーからスタート。上場した最初から時価総額が大きかったのは、日本ではNTTや日本たばこ(JT)、日本郵政などほんの一握りでしかありません。

株式投資は「功成り名遂げた」一流の大企業に投資するのも良いかもしれませんが、せっかく株式投資をするなら「これから株価が大きく上がることが期待される成長株」をぜひポートフォリオの中心に持っていて欲しいものです。
というのもこれから「功成り名遂げる」であろう銘柄を長期保有することによって、その企業のオーナー経営者と同じように大きな資産を構築することができる可能性があるからです。

毎年春になると世界長者番付が発表され、それと同じく日本の長者番付も発表されますが、ほぼ全員が急成長した企業の経営者となっています。例外は伝説の投資家、「投資の神様」ウォーレン・バフェット氏くらいです。

10倍株で資産1億円の突破口
世界中で低金利が続いています。預貯金では金融資産を増やすことはできません。結果として世界中で株式に資金が流入しています。

普通の人が預貯金を積み立てるだけで1億円の資産を作るのは困難です。機を見るに敏な人は株式投資で資産を増やそうとします。ただこれだけでは1億円に到達するのは簡単ではありません。

さらにもっと機を見るに敏な人はより効率的な株式投資をします。高成長企業への投資で資産を大きく増やそうとするのです。そして誰でも少し勉強するだけで10倍株に投資することができ、資産を大きく増やすことができます。
ビジネスモデルの独自性やROE(自己資本利益率)の高さを確認し、成長がどの程度見込めるかを予想する。そしてあまり複雑に考えず、自分の判断と銘柄(つまりその企業の経営者)を信じて長く保有して結果を待つのです。
好調企業だと2~3年で株価が10倍以上になるものもあります。

勝ち組企業株を買ったら長期保有がおすすめです。それが「めざせ10倍株、めざせ資産1億円」の近道です。

先を見るのが株式投資
 この株式投資羅針盤シリーズは最初(2014年4月版)からこの「2021年8月版」までエムスリーを連続掲載してきました。エムスリーはDX(デジタルトランスフォーメーション)時代でも中核銘柄の一つとなりそうです。ただ2020年代の株式市場では他の銘柄にも大きなチャンスがあると考えています。

2010年代は未曽有の危機といわれたリーマンショックから立ち直る中で株価が大化けする銘柄もいくつも出てきました。米国株ではアマゾンやグーグル、アップルなど「GAFAM」と呼ばれる巨大IT企業は株価が大幅上昇、いまでは時価総額100兆円を超える企業がいくつも出てきています。日本では米国のような巨大IT企業は育っていませんが、エムスリーやMonotaRoなどのように、2010年代に株価が数十倍になった企業がいくつもあります。

 そして次の2020年代は5GやDX(デジタルトランスフォーメーション)がビジネスや暮らしに大きな変革をもたらすとされています。日本はコロナショックでデジタル化の遅れが明確になっており、遅れを取り戻すために大規模なデジタル投資が予想されます。

注目テーマとしては自動車の電動化や自動運転、個体電池、水素、EUV(極端紫外線)などが上げられると思われます。そういうなかで底辺に流れるDX(デジタルトランスフォーメーション)の流れは不変と思っていいでしょう。

「人生100年の計」は株式投資にあり
人生100年という認識が広まってきています。と同時に老後のお金の心配も大きくなってきています。金融庁の審議会の報告書(いわゆる老後2000万円報告書)では20代~50代までの人たちの老後不安の第一は「お金」となっています。「老後2000万円問題」は2019年に大注目されました。それから2年経ちましたが、相かわらず私たち日本一人一人に直接かかわる重要な問題として重くのしかかってきています。

このいうなかで資産をいかに増やすかに注目が集まっています。多くの人が資産を増やす効率が高い金融商品としては株式そのものを保有するか、株式を対象とする投資商品を保有することになると期待しています。
米国の著名投資家「ウォーレン・バフェット氏」を見ればわかるように、株式は長期運用の対象として最も優れた金融商品です。

「オンリーワン企業、ブルーオーシャン企業の」株式を持とう
独自のビジネスモデルで成長を続けるいわゆる「オンリーワン企業」の株価は基本的に右肩上がりを続ける傾向が強く、このような銘柄を中心に掲載する姿勢を続けています。競合企業がほとんど存在しないいわゆる「ブルーオーシャン企業」も同じです。

オンリーワンやブルーオーシャン企業の株式への注目を続けなくてはいけないと思います。実際このような企業はいわゆる「10倍株(テンバガー株)」になる期待も大きいと考えています。またそういう銘柄の押し目局面は絶好の投資タイミングであると考えます。

オンリーワン、ブルーオーシャン企業の株価は大幅上昇が期待されます。たとえば
エムスリー 2010年代に株価26倍。
神戸物産 同43倍
MonotaRo 同88倍という具合です。
この3銘柄は2020年代に入っても成長を続けている優れたビジネスモデルを持った企業であり、今後も動向を注目したい銘柄です。

株式投資は遠大な視点で
株式投資は遠大な視点(あるいはスタンス)で取り組んだほうがいいでしょう。
たとえばソフトバンクG(9984)は300年先を見て物事を考えるべしとしているそうです。だから何か良くないことが起こっても簡単には動じない、へこたれないで頑張れるということです。 
当然ですが、孫さんが不老長寿の人だからそうしているわけではありません。それぐらいの視点をもって物事に取り組めば少々の失敗には慌てふためく必要もないということでしょう。

そして株式投資も同じように遠大な視点で=超長期の視点で取り組めば必ず良い結果をもたらすはずです。
ビジネスモデルが良い
景気動向に左右されない
市場の成長性が高い
競合他社が少ない、あるいは存在しない
このような視点で投資先の企業を選定し、買ったらずっと何年も長期保有。目先の変動は気にしないでできるだけ長く持つ。このような投資をすればいい結果が出るはずです。そしてこのような投資はとりわけ、20代~30代の人にはぴったりです。

これでお分かりだと思いますが株式投資は就職先探しと同じなのです!!
この本では中長期的な視点で銘柄(日本株オンリーですが)を選んでいます。掲載銘柄であっても株価がすぐ値上がりするというものばかりではありませんのであらかじめご了承ください。

この本では良いものは良いということを重視して、できるだけ短期指向に陥らないような銘柄選定を心掛けています。
なおもともと掲載銘柄選定は中・長期指向ということではありますが、短期での成果もまた良しとするものです。

この「2021年8月版」に掲載した銘柄は31銘柄。好業績銘柄を中心にコロナリベンジ株も掲載しました。

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