著者:北野唯我
ページ数:201
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突然だが、「史上最強のヘッドハンターは誰か?」と問われたらあなたはなんと答えるだろうか。
私の答えは、日本史なら徳川家康。世界なら三国志・曹操。この2名のどちらかだろう。
両者の共通点、それは「人事の天才」であったことだ。
曹操が行った人事戦略は唯才是挙(ゆいざいぜきょ)と呼ばれる。
この意味は、才能を強みによってのみ評価するということである。
時には、過去に自分を苦しめた人物でも、才能があれば仲間に入れるなど、徹底した人材集めを行った。家柄や経歴が重宝される時代に、唯才是挙を行ったのは、当時の人事戦略の常識をひっくり返す革命的な出来事だったと言える。
同様に、日本の武将、徳川家康は、こう語っている。「人を用いるには、かならずその者の長所を取るべきである。たとえば耳目口鼻のようなもので、おのおの司るところがあって、それによって用をしている。人間というものは、それぞれすぐれたところがあり、すべての長所が一人に備わっていることをもとめてはならない」と。
徳川家康もまた、人の強みに焦点を当て、人事戦略を構築してきたのだった。
上記の二人の共通点。それは「強みの経営」の実装者であること。名将と呼ばれる人物たちは、常に周りの個の強みを活かし、経営していった人物だった―――
では現代社会はどうだろう?
入社時はやる気に満ち溢れていた人が、数年後に熱意を失い、「これぐらいでいいや」と投げやりになっている姿を見たことはないだろうか。
顧客のために頑張り、顧客と信頼関係を構築している人よりも、上司の顔色だけを伺っている人の方が評価されている場面を見たことはないだろうか。
「あの人は何年もあの部署にいるが、別の部署にいった方が活躍するはずだ」と思った経験はないだろうか。
これらの問題は、年功序列が引き起こしているかもしれない。
日本企業の特徴として「終身雇用」と「年功序列」は、一緒くたに語られることが多い。だが、この二つは、全く別だと著者は断言する。そして、日本企業の課題は、年功序列にあると言う。
では、その解決策は何か?著者が歴史から見つけたヒントは「真の実力主義型」であった。「実力主義」と聞くと、日本では失敗したケースも多いイメージがある。だが、歴史を紐解くと本当の実力主義とは、日本企業が失敗した実力主義とは全く違うことが分かった。
それは、正確には「実力主義」ではなく「強みの経営」と呼び変えられる。名将と呼ばれる人物たちは、常に周りの個の強みを活かし、経営をした人物だったのだ。
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