著者:吉村ジョナサン
ページ数:28
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画家DAIKIの最初期の作品に、吉村ジョナサンが三行詩をつけたもの。DAIKIの最初期の作品は、ボールペンだけで制作されている。最初期の作品はボールペンを用いた細かい作品が多く、線に執着している。シュールレアリストのisomeki氏の影響を感じるものの、その表現には挫折し、結果的に自分の表現に行きついている。その後の作品は、ポストカードサイズの様々な素材の紙に、ポスターカラーで描かれていくことになる。制作方法はいたってシンプルで、様々な色や素材、模様のポストカード用紙から一枚選び、気の向くままにポスターカラーで線や点をのせていく。ポスターカラーはペンタイプのものを使用。主に使うのは極細~細字。20~30分ほどで出来上がる作品もあれば、数日かけて少しずつ塗り重ねる作品もある。決まったコンセプトを持って制作することはほとんどなく、そのときの気分、心の動き、たまたま手に取ったペンの種類によって作られていく。気分ののったときにしか制作しないので、一時期に一気に作られることもあれば、全く作らない空白の期間も多々存在する。作品集では、概ね制作順に収録され、インスピレーションの推移を楽しむことができる。この作品集は、最初期の創作しはじめの模索がはっきりと感じられるものになっている。
【作品の魅力】
まずは、DAIKIの最初期の作品という点。その後の作品へのつながりを感じつつも、独特の色彩表現にはまだたどり着いていない。そして、そのような作品群に対してインスピレーションを受けた吉村ジョナサンの三行詩。作品自体を見てから三行詩の解釈を見るもよし。言葉と絵画の対立を楽しむことができることも魅力である。
【おすすめの楽しみ方】
- 電子書籍で購入し、画像で楽しむ。(Kindle Unlimitedでも読めます)
- 気に入った作品があれば、ペーパーバック(紙の本)で購入し、じっくり眺める。
- 公式InstagramやYou Tubeで画像や制作過程動画を楽しむ。
- 自分でもポストカードアートを描いてみる。
- 自分の作品をSNSで公開してみる。#postcardart
- DAIKIの個展で原画を楽しむ。DAIKIと会話を楽しむ。
【本のデザイン】
書籍は本が苦手な人でも読みやすいよう、文字が大きく、全体の文章量も控えめに設定されている。A5サイズで持ち運びにぴったり。電子書籍でも読めるほか、kindle unlimitedでも読むことができる。
【著者:吉村ジョナサン/DAIKI】
1984年生まれ。エッセイスト・詩人の活動(吉村ジョナサン名義)、即興卓上木琴奏者・ポストカードアーティストの活動(DAIKI名義)を行なっている。山形大学教育学部を卒業後、私立高校の国語教師として13年間務める。その後上京し、アーティスト活動を開始する。現在は塾講師を務めながら、多方面で表現活動を行なっている。
【吉村ジョナサンのエッセイ】
初期には、『睡眠随想集』や『香りのある生活』といった特定のテーマに絞った作品が刊行された。シリアスな内容をはらみながらも、全体的にはゆるやかに語られる。教師としての経験を活かした『受験生らしくなくっていい』、『知の教育』は、高校生や教育関係者へ向けられたメッセージの中に、現代の教育への批判的な内容がしのばせてある。音楽家としての立場から語る『即興演奏という語り』には、独自の音楽哲学が書かれており、演奏家として、音楽を愛するものとしての立場、芸術への立場が記されている。その他にも、日常のあれこれをつづった『都会の空』、『違和と共存』からも、吉村の世界観、独特の文体が感じられる。内容は込み入っているものの、論理的というわけでもなく、かといってわかりやすくもない文体に置いて行かれることもしばしばだけれども、そこに魅力がある。
【吉村ジョナサンの詩】
もともと短編の物語を書いていたものを、詩としてとらえたところから始まっている。そのような物語のような、詩のような創作物を詩集として刊行したのが、数々の著作である。最初の詩集『アロマ詩集』はほとんどが物語になっており、第二詩集『宇宙の本』も前半は物語になっている。その後、韻文的な要素が強いもの、メッセージ性が強いものも多くなっていく。そして、第三詩集『地平線』には多様な作風が見られることになる。物語として、エッセイとして、言葉あそびとして、それぞれの楽しみ方ができるのがおもしろい。
【DAIKIの作品集】
企画作品としては、アルファベットをモチーフにした『A to Z』、世界的なイベントであるインクトーバーへの参加作品を収録した『CRYSTAL to RISK』がある。初期の作品集としては『三行詩とポストカード』があり、作家活動はボールペン線画から始まっている。『Marine Sleep』はその線画から次のポスターカラーを用いた色彩表現への過渡期の作品が収録されている。次の『BALANCE』では、ポスターカラーを用いて点描や線を描いている。色彩と幾何学模様に向き合い始めた段階である。そして、『SCRAMBLE』では、様々な素材の紙を用いることで、質感を意識した作品群が生まれている。『CAPACITIES』では、アフリカや日本のトラディショナルなデザインをほうふつとさせる作品が多くなっている。基本的に下書きや構成などは考えず、即興的に描いていくスタイルをとっている。気分がのったときに描いていくタイプ。
【DAIKIの演奏活動】
10歳から打楽器を始め、その後、吹奏楽や管弦楽、アンサンブルに親しむ。紆余曲折を経て、35歳のときに、自分の何気なくやっていたことがフリーインプロビゼーションに近いことを知る。36歳から卓上木琴による即興演奏をYou Tubeに公開し始める。現在490以上の動画をアップしている。世界中の人に卓上木琴を楽しんでもらえる日を目指して活動している。主な使用楽器は木琴メーカーとして有名なコオロギの卓上木琴。
【公式ホームページ】
https://sites.google.com/yoshimuraart.com/home
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