著者:伊藤潔人
ページ数:298
¥1,170 → ¥0
本書は、図形に関係するExcelマクロを自分で作りたいと考えている、Excel VBAの基本については理解している方を対象とした入門書です。
図形に関わるオブジェクトモデルの基礎を、できるだけ早く把握するのに役立つことを目指しています。サンプルコードをコピペしたいだけの方には役立たないはずですので、ご注意ください。
### 対象とする読者
オブジェクトブラウザーの基本的な使い方を知っている方を対象としています。
マクロ記録で作られるコードを理解しないまま流用してExcelマクロを作ったことがある、という方は対象としていません(ごめんなさい)。
オブジェクトブラウザーの操作方法をご存知ない方は、拙著『いちばんやさしいPowerPoint VBAの教本』の「Chapter 2 オブジェクト操作の基本を確認しよう」等を参照してください。
オブジェクトブラウザーを使えるということは、VBAの変数や制御構文、Worksheet・Rangeオブジェクトの基本を理解し、ローカルウィドウの使い方もご存知のはずです。
また、Excel上での基本的な図形操作についても理解していることを前提としています。
### 本書の役割
Excelの図形に関係する作業も、VBAを使って効率化・自動化が図れます。
図形を操作するサンプルの掲載されているExcel VBA本も存在しています。しかし、図形に関係するオブジェクトについて、その概要を把握するのに適した書籍を私は知りません。書店には大量のExcel VBA関連書が並んでいますけれど、その多くが
Workbookオブジェクト
└ Worksheetオブジェクト
└ Rangeオブジェクト
といった、Excel VBAのもっとも基本的なオブジェクトの解説に留まっています。
図形を操作するマクロを作る場合、(残念ながら)基本の「Workbook-Worksheet-Range」を知っているだけでは歯が立ちません。
図形をVBAで操作するコードを自分で書くためには、図形に関係するオブジェクトモデルの概要を、理解していなければなりません。図形に関わるオブジェクトがどのような階層構造になっていて、それぞれのオブジェクトが何を担っているのか知っている必要があります。
マクロ記録で作られたコードを応用して図形に関わるExcelマクロを作るにしても、図形関連のオブジェクトモデルの基本を理解していなければ、どこをどう直せばいいのかわからないはずです。
このような図形に関係するオブジェクトの基本について、皆さんが理解するのをサポートするのが本書の役割です。図形操作についてヘルプ等を自分で調べられるようになるための、基礎固めのお手伝いをするのが本書の役割です。
### リファレンスではありません
本書は、たくさんのオブジェクトやプロパティ・メソッドの紹介を目的としていません。
図形に関係するオブジェクトモデルの概要を、皆さんが少しでも早く理解できることが目標です。そのため、紹介するプロパティ・メソッドは、オブジェクトの特徴をよく表しているものに絞っています。
### 自分の手と頭を動かしましょう
Excel VBAでワークシートやセルを操作する基本をご存知の皆さんなら、入門書を一冊読み流しただけでは、Excelマクロを自分で作れるようにならないことを、よくご存知でしょう。
図形に関係するマクロでも同じです。
図形を操作するサンプルコードを漫然と書き写していても、理解は進みません。オブジェクトブラウザーを調べ、戻り値が何なのか等をイメージしながらコードを書きましょう。ローカルウィドウを使って、実際のデータも確認してイメージすることを繰り返しましょう。
### 本書で扱っていない項目
本書は『図形操作の基本』編であり、図形に関わる操作であっても、以下のような項目は扱っていません。
・グループ化された図形の操作
・コネクタに関する操作
・吹き出しに関する操作
### Excelのバージョン
Windows 10上で稼働する、2021年11月現在の最新版Excelを対象として記述しています。
ただし、本書で解説しているのはExcel VBAの図形に関するオブジェクトモデルの基本ですから、Windows版のExcel 2010以降であれば、大きな違いはありません。
# 目次 ####
はじめに
chapter 1. 既存のShapeを取得する
シリーズ一覧
この期間中は料金が980円→0円となるため、この記事で紹介している電子書籍は、すべてこのKindle Unlimited無料体験で読むことが可能です。