著者:松野郷 俊弘
ページ数:261
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[商品について]
―地震、噴火、この災害はけっして他人事ではない―
太平洋戦争末期の昭和19年に噴火と局地地震によって生まれた「昭和新山」は、それまであった有珠郡壮瞥村の九万坪の台地に広がっていた豊かな耕地を、九万坪の地名と共に消し去った。平成2年3月に伊達警察署長に赴任した著者は、警察署の保存文書のなかにあった有珠岳噴火当時の文書を目にする。「有珠岳地震九万坪噴火関係」と題された当時のその記録には、造山活動に呑まれて消滅する壮瞥村字フカバの集落の模様と共に、噴火に至るまでの経過と罹災状況や救護活動の様子が克明に記されていた――。国防上の理由で秘匿された戦前の噴火災害を、駐在巡査の報告書や地域の動向などを参考に、終戦前後の時代背景と共に描いたノンフィクション小説。
―地震、噴火、この災害はけっして他人事ではない―
太平洋戦争末期の昭和19年に噴火と局地地震によって生まれた「昭和新山」は、それまであった有珠郡壮瞥村の九万坪の台地に広がっていた豊かな耕地を、九万坪の地名と共に消し去った。平成2年3月に伊達警察署長に赴任した著者は、警察署の保存文書のなかにあった有珠岳噴火当時の文書を目にする。「有珠岳地震九万坪噴火関係」と題された当時のその記録には、造山活動に呑まれて消滅する壮瞥村字フカバの集落の模様と共に、噴火に至るまでの経過と罹災状況や救護活動の様子が克明に記されていた――。国防上の理由で秘匿された戦前の噴火災害を、駐在巡査の報告書や地域の動向などを参考に、終戦前後の時代背景と共に描いたノンフィクション小説。
[目次]
序 章
第一章 洞爺湖温泉巡査駐在所
第二章 噴火予測
第三章 壮瞥村字フカバ集落
第四章 胆振縦貫鉄道
第五章 九万坪異変
終章
あとがき
参考文献
著者プロフィール
[担当からのコメント]
災害は忘れたころにやってくる、という寺田寅彦の警句は、今の私たちにこそ当てはまるかも知れません。世界有数の地震・火山大国に住む私たちが、おびただしいまでの過去の災害の歴史から何を学ぶのか、ぜひ本書を通じて考える機会を持っていただければ嬉しく思います。
[著者プロフィール]
松野郷 俊弘(まつのごう としひろ)
1933年 北海道上富良野町生れ。
旭川第一中学校卒業、北海日々新聞社編集局少年部を経て、1953年北海道巡査を拝命し、北海道警察本部各課長、警察署長を歴任、1992年退職。
著書に詩集『風』情緒刊行会、木版画文集『朔北の建築浪漫』情緒刊行会、コラム集『波涛』、『署長の備忘録』近代文藝社刊、『北海道の森林鉄道』自費出版等がある。
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