著者:大城 冝武
ページ数:173

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[商品について]
―1960年に改定された安保条約は、今も生きている―
国民がいて、選挙で選ばれた首長がいて、国を規律する憲法があっても、たとえば在留する外国人を逮捕し裁判をする権利がなければ、或いは関税自主権がないとすれば、その国は「独立国ではない」というほかない。はたして現代の日本は、本当に独立国といえるような国家なのだろうか――サンフランシスコ講和条約と日米安保条約、現代の日本にも大きな影を残すこの2つの条約を手がかりに、重複支配にあえぐ沖縄を1つの視点として、日米同盟の本質と「植民地国家」日本の姿を歴史の中から浮き彫りにする、新しい時代のための日本国家論。

[目次]
まえがき
植民地国家としての日本
日米共同管理の「植民地」沖縄
日本保護国化の起点・日米安保条約
沖縄の中の「日本人」
日韓議定書と沖縄
平和条約と日本復帰
大学キャンパスは米軍に占拠された
「復帰」とは何だったのか
「薩摩襲来」と「日本屈属」のメタ・ヒストリー
怒りの向こう側
メアのナイトメア
植民地考
重層植民地オキナワ
目覚めよと呼ばわる声が聞え
「主権在琉球人」論
あとがき
【参考・引用文献】
【初出一覧】
著者略歴

[担当からのコメント]
日本は主権を持った独立国家だと思いながらも、アメリカの核の傘に守られて繫栄を享受してきたことも分かっている、この矛盾の中にある思考は、現代の日本人にとって看過できないものになっているのかも知れません。沖縄は今なお「戦後」の中にあり、そしてそれは全ての日本人にとっても同じことであるということについて、本書をきっかけに考える時間を持っていただければ嬉しく思います。

[著者略歴]
大城 冝武(おおしろ・よしたけ)

1946年  生まれる
1970年  琉球大学教育学部教育学科卒業
1974年~ キリスト教短期大学助手、講師、助教授、教授
2004年  沖縄キリスト教学院大学教授
2012年  沖縄キリスト教学院大学 定年退職、名誉教授
1995年  博士(医学)取得

著書
 『漫画の文化記号論』(弘文堂 1987年)
 『環境のモデルノロジー』(北大路書房2006年 分担執筆)、他

論文
 琉球処分図絵の記号論(記号学研究 1993年)明治初期における日本人の「琉球」観(生活文化史 1993年)大学生における沖縄の社会状況の認知に関する研究;3(沖縄キリスト教学院大学論集 2012年)、 他

専門
 記号学、意味論、戦後沖縄社会思想、社会心理学、生活文化史、他

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