著者:平山崇
ページ数:103

¥0

 本作品の主人公アルマンドは吟遊詩人ですが、冒険者に憧れて転職し、死のダンジョンを訪れます。魔物を倒し、秘密のアイテムを手に入れ、奥へと進んでいきます。ただのダンジョン冒険物語としてではなく、その過程で主人公がどのような価値観の変化を経験するかを目撃してください。きっと共感されるところもあると思います。ファンタジー小説でもSF小説でも、描かれる人間は我々と地続きの人間なのです。
 本作を書くにあたって、いくつか実験的な試みを取り入れました。

1.叙事詩と小説の融合 
 ダンジョンの部屋の探索や魔物との戦いは詩形式で描き、それ以外のプロムナード等は小説形式で描いています。また詩の中の台詞は「――」の記号を用いて区別し、より文語的表現を駆使しています。詩と小説が溶けあって独特の効果を織りなしています。
2.二人称
 主人公の名前はアルマンドですが、本作品では「あなた」という呼称を使っています。読者が物語を体験するような仕掛けです。これには一九八〇年代に流行したゲームブックの影響もあります。
3.魔物と四字熟語
 物語には多くの魔物が登場しますが、すべてギリシア神話等から取っています。魔物のオリジナルの特性も極力変えずに本作品で生かしています。また魔物の物語上の役割に符合する四字熟語を当てはめてタイトルとしました。四字熟語の意味を知ることで、より一層物語が楽しめます。
4.MAP
 主人公はダンジョンの地図を持っていませんが、読者は地図を見ながら主人公の探索を俯瞰できるようにしています。地図にはどの部屋にどの魔物がいるかも記載してあります。

 私は小説を書き続けてすでに三十年で、数年前からは詩も書き始めました。二つの文学形式が結びついたのは必然的と言えます。『ダンジョンと人間と』は私の作家人生で記念碑的な作品となりました。読者の皆様にはどうかこの独特な物語に没頭して頂きたいと思います。

二〇二二年五月四日
平山崇

シリーズ一覧

  • 同シリーズの電子書籍はありませんでした。

 

  Kindle Unlimitedは、現在30日間無料体験キャンペーンを行っています!

この期間中は料金が980円→0円となるため、この記事で紹介している電子書籍は、すべてこのKindle Unlimited無料体験で読むことが可能です。

Kindle Unlimited 無料体験に登録する