著者:大坪嘉行
ページ数:174

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本書では、研究力低迷問題がどのように生じているか説明をする。筆者の目的は、愚痴を言ったり嘆いたりすることではなく、また、過去に何が問題を起こしたかを突き止めることでもない。筆者の目的は、教育研究現場が今まさにどのような問題がある状態になっているかを、行政によって解決可能な視点からなるべく詳細に説明することだ。問題の原因はさまざまな形で語られうるが、施策によって解決することが可能な原因が説明されることが重要だ。研究力低迷問題は、「研究組織内の利害共有の程度が著しく低いこと」「成果主義でない方法で科研費などの研究費が配分されていること」「科学技術立国と言いながら、技術が軽視されていること」などが総合的に引き起こしている。施策案を提案するように、これらはいずれも施策によって解決可能な問題である。これらの解決によって日本の研究力は大きく改善するだろう。科学技術行政に関わる人、大学運営に関わる人、研究者、大学教員、大学院生、大学生といった教育研究に関連する多くの人にぜひお読みいただきい。

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