著者:小林 克己
ページ数:158

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本書は、生物統計学を初めて志す学生・研究者および試験責任者で、対象分野は、臨床・非臨床(毒性試験)試験担当者、文・理系(学生)研究者、看護を含めた医系(学生)研究者です。

これら科学者に対して各検定法の概略と使用場面について最近の動向から優しく簡単に解説した抄録版です。各検定法の詳細な計算法は、各分野の成書を参照してください。これら各成書の計算法は同一です。しかし、これら成書は、各検定法の使用場面からの考察は述べていません。

各分野の学会への原著・投稿論文に使用された統計解析には、時折間違った手法が掲載されています。しかし、これによって社会的に問題が生じません。その学会内での問題で、その論文を引用する科学者へ統計の間違いの影響が伝達されます。しかし、化学物質の毒性試験から得られた影響の判断の一助に使用される統計解析が間違っていれば、国民の健康に影響が示唆されます。したがって、私は、これら医薬、一般化学物質、農薬および動物薬の審査部門による認可を受けた統計解析を含めた論文が最も信頼性が大きいと思います。

本書は、医薬品、一般化学物質、農薬、動物薬およびOECD試験などの各ガイドラインによる毒性試験に使用された統計解析法の中で国際的に利用されているOECD試験(化審法)ガイドラインに使用された解析法を中心に、各解析法を簡単に説明し考察を加えました。本書の記述で毒性試験は、生物試験と言い換えることもできます。

各検定法の計算式および使用場面は、これら成書に譲ります。この本では、各検定法の注意事項を主に文章で記述しました。一部重要な記述は、表および図で表示しました。

私は、数学者ではなく毒性試験・実験動物および公衆衛生から得られたデータと長年接し、生物学的有意差と統計学的有意差がなるべく一致する手法に関心を持っておりました。本書は、生物統計学を勉強するために、実験動物を使用した毒性試験から得られた知見に沿って解説しました。これらの知見は、広く生物統計に応用できます。私は、本書が生物統計学の動機づけになれば望外の喜びであります。

最後に統計学的有意差の検出ができない解析法は使用しないでください。1群内動物数(N)が3または4と少ない場合は、生物学的有意差を優先しましょう。

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