著者:北出茂
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試験合格のためには、まず、「敵」を知らなけばならない。
本書では、第1回から最新回までの過去問をすべて全て検討していく。
そして、実際の過去問を題材に、「実践的」な参考答案を「複数」掲載することにより、読者を合格へと導くことをその使命としている。
本書に掲載しているのは、あくまで「実践的」な参考答案(解答例)である。このことを強調しているのは、「実際に本試験で答案を作成するときに役立つものでなければならない」という使命感からである。
類書にも答案(解答例)を掲載しているものはあるが、どう考えても参考書を片手に時間制限なく記述をしたと見受けられるものが散見される。これらは筆者に言わせれば「実践的」とはとてもいえない(試験現場で役に立たない)代物である。
本試験に持ち込めるのはボールペンだけなのである。そうである以上、六法全書や判例集などからの引用で埋め尽くした参考答案は、仮に同一の問題が出題された場合でさえ、本試験現場では再現不可能である。
実際には、同一の問題が出題されることはない以上、「実践的」な参考答案をたたき台にして、いかなる問題へも対応できるように法的規範へのあてはめやリーガルシンキングの訓練をすることこそが重要なのである。
すなわち、本書掲載の「実践的」参考答案は、①すべて筆者が、②問題文以外は何も見ずに、③制限時間内に、④解答用紙に、⑤ボールペンで、解答をしたものに、最小限の修正を加えたものである。
本書の第二の特徴は、このような「実践的」な参考答案を「複数」掲載していることである。
本シリーズでは、<あっせん事例問題>では問題ごとに各2通~3通の参考答案を掲載し、<論理問題>では問題ごとに各2通~4通の参考答案を掲載している。
大脳生理学の基本として、私たちの脳は、解答が一つしか掲載されていない場合だと、無意識にそれを覚えようとしてしまう傾向にある。これでは、さまざまなパターンに対応が出来ない。
そこで、本書では、<あっせん事例問題>のように考え方によって異なる結論が帰結される問題の場合には、異なる立場からそれぞれ各1通以上の参考答案を掲載するように努めた。重要なのは結論ではなく、そこに至るプロセスであり、論理一貫した説明ができるかどうかだからである。
このことは<論理問題>でも同様であるが、倫理問題にはその特性上、どう考えてもある結論を導くことが倫理的に妥当な問題も存在する。そこで、 そのような場合には「攻めの答案」「守りの答案」「条文を覚えていた場合の答案」「条文を覚えていなかった場合の答案」というように状況によって書き分けることができるように配慮して掲載するようにした。
とりわけ、<倫理問題>で「受任できないとする立場からの解答例①」「受任できないとする立場からの解答例②」というように、同一の立場から書き方だけ変えた答案を複数掲載しているような場合は、通常、そのような結論を導くことが妥当であるとの筆者からのメッセージであると受け止めていただければ幸いである。
本書を手に取ってくださったことに感謝申し上げる。
そして、本書が必ず、読者のお役に立つものであることをここに約束する。
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