著者:小原克博 (著, 序文),
ページ数:167

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 本書は、私が同志社大学 神学部で2022年度に指導した7編の卒業論文を含んでいる(論文の配列は著者姓のアルファベット順)。2022年度は、新型コロナウイルスの影響が小さくなってきたとはいえ、ゼミ合宿等、ゼミの諸活動は制限された。普段の授業は対面とオンラインを併用するハイフレックス形式で行われ、対面・オンラインの顔ぶれは入れ替わりながらも、議論を重ね、7名の学生が卒業論文を完成させることができた。
 これまでも卒業論文集として『神学の射程と諸相』(1〜6)を刊行してきたが、変化の著しい時代の中で、いずれも、その時々の学生の関心を照らし出しており、時代の「定点観測」としての役割も負っているように思う。この卒業論文集では、伝統的な食や葬送文化がどのように変化してきたのかを扱っているものや、日本人の宗教性や霊性の変化をテーマとしているものなどがあり、若い人たちが、古いものと新しいものの両方を懸命に見ようとしている息づかいを、文章から感じ取ることができる。
 今日、学術論文の多くはインターネット上で公開され、自由に閲覧できるようになったが、卒業論文については意外と実物を手にする機会は少ない。これから卒業論文を書こうとする者にとっては、本書がよい手がかりとなることを願っている。
 本書の一つひとつの論文が「神学の射程」の広がりを示しているだけでなく、論文を完成させ卒業していく学生たちのこれからの「人生の射程」をも示しているようである。執筆者の一人ひとりが自分の論文に愛着を感じているように、完成に至るまで伴走してきた私も、一つひとつの論文にいとおしさを感じている。本書を多くの人に読んでいただきたいと思う。

2023年2月 同志社大学 神学部 教授  小原克博
 

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