著者:佐々木 允臣
ページ数:130
¥780 → ¥0
―21世紀は果たして「人権の世紀」となるのだろうか―
1970年代末から1980年代にかけて主に欧米で議論され、その影響が現在にも残されている「再生人権論」。本書は、この再生人権論について、長く人権研究に携わってきた著者が、これまで発表してきた論文の中から冒頭にある「はじめに」を中心に問題意識や論点を提示する箇所を抜き出し、再生人権論のの反響の軌跡を鳥瞰した「人権論の年代史」である。自由、平等、民主、国家など、人類が抱えるアポリアと如何に対峙していくべきか考えるうえで必読の論考集。
[目次]
はじめに
1 人権と時代の諸相
2 旧社会主義圏における人権論
3 人権は巡る
4 対立する諸側面
5 フランスにおける人権論の再生
6 一九八九年の前夜――欧米
7 一九八九年の前夜――日本
8 昭和天皇の崩御と一九八九年
9 社会主義圏での動乱(一)
10 社会主義圏での動乱(二)
11 人権への批判的論調の胎動
12 人権論の民主主義的構成――自律的社会主義に向けて
13 人権の主体である人間像について
14 ポスト・モダン思想と法律学
15 冷戦終結後、新たな社会理論の諸潮流
16 ラディカルな人権論の社会変革への潜在力
17 衝突する「人間」と「市民」・「国民」・「階級」等
18 人権の再読
19 権利論の射程距離――フーコーとルフォール
20 人権論とポスト・モダン
21 二〇世紀末の民主主義論
22 かつての盟友との別離――「未規定性」をめぐって
23 再度、人権とポスト・モダン
24 人権の過剰への批判
25 日本における人権意識の特徴
26 「歴史の終焉」と「小さな物語」
27 人権と国家のパラドキシカルな関係
28 自律のプロジェと人権
29 「フランス風リベラリズム」への批判
30 人権の分岐点
31 いかなる人権論か
32 人権の十字路
あとがき
著者紹介
[担当からのコメント]
学校でも習い、日常でもよく使用する人権という言葉ですが、その言葉の「意味内容」が秘めているものから社会や歴史を見据えると、私たちが現在生きている世界の潮流が見えてくる、本書はそんな知の冒険へと読者を誘う作品になっています。人権を深く考える方はもちろん、確固たる思想なき世界を生きる全ての方におすすめします。
[著者紹介]
佐々木允臣(ささき のぶおみ)
1942年 広島市に生まれる
1966年 同志社大学大学院法学研究科修士課程修了
現 在 島根大学名誉教授
専 攻 法哲学
主 著 『人権の創出』(1990年 文理閣)
『自律的社会と人権』(1998年 文理閣)
『もう一つの人権論〈増補新版〉』(2001年 信山社)
『人権への視座』(2016年 文理閣)
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