【無料で読める】塾なし中学受験を考えたときに読む本

2024年7月1日 2024年7月1日 6分8秒

KUbooks

著者：野田　茜
ページ数：26

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2018年2月、当時小学4年生だった長男は、中学受験の勉強を始めました。それから約3年後の現在、2021年2月、受験を終えました。結果は、第1志望をはじめ、受験した4校全てに合格。第1志望は、四谷大塚80％偏差値64の難関校でした。

　自宅がある神奈川県横浜市では、中学受験をする子供はそれほど珍しくはありません。しかし、長男の中学受験の勉強スタイルは、かなり珍しい部類に属します。なぜなら、長男は塾に一切通わずに勉強を続けてきたからです。具体的には、以下のようなスタイルです。

・小3の2月～中学受験の勉強を開始
・四谷大塚の予習シリーズを使用
・通塾なし
・オンラインや通信教材なし
・スポットでのプロ家庭教師による学習相談を利用（数回）
・算数と理科は夫、国語は私、社会は両方が教える

　現在のところ、「中学受験」=「塾通い」というのが王道になっています。実際、メディアや自分の身の回りを見渡しても、中学受験をするほぼ100％の子供が通塾しているといっても過言ではないのではないでしょうか。

たしかに、小学校の授業やテストとは次元の違う、難解な中学受験の入試問題に立ち向かうには、小学校以外の場所での勉強が必要になります。そして、そのほとんどは集団塾や個別指導というのが現状です。

しかし中には、さまざまな事情から、塾に通わずに中学受験の勉強ができないかと考えられている方も、昔に比べると増えているように感じます。これは、メディアやSNSをみてきた上での、私の個人的な印象ですが、今までのように小3の2月から一律集団塾に通うというスタイルに疑問を持つ方は増えているのではないでしょうか。また、2020年の新型コロナウィルスによるオンライン授業の促進や、「教育虐待」という言葉の浸透などが、それをさらに後押ししたようにも感じます。

　本書では、私の経験をもとに、通塾せずに中学受験を考えているご家庭に向けて、「塾なし中学受験を意識したときに、まず考えたほうがいいこと」について書きました。具体的には、下記の項目になります。

・わがやが塾なし中学受験を選んだ理由
・塾なし中学受験のメリットとデメリット
・塾なし中学受験に向いている子
・塾なし中学受験のハードルが低くなっている理由

　本書が想定している読者は以下のような方です。

・塾なし中学受験をしようか迷っている
・塾なし中学受験をしたいと思っている
・塾なし中学受験が可能かどうか知りたい

　もちろん、私の経験はたった一例にすぎませんので、参考になることもあれば、その逆もあります。それでも本を書こうと決めたのは、自分の経験から、塾なし中学受験という選択を考えている方向けの情報が非常に少ないと感じたためです。

　あくまでも私の経験上ですが、中学受験に関する情報を検索すると、通塾することが前提となっていることがほとんどで、「塾に通わなくても可能ですか？」という類の質問には、「中学受験をなめている」「本気で中学受験を考えているのか」という批判的な解答が多く見られました。

しかし、私も含めて、決して中学受験が簡単なものだと思って塾なしを選択肢に入れる方だけではありません。中には、通塾したいけどできないという切実な事情を抱えている方もいます。そういう方に向けて、経験者の立場から、ポジティブな塾なし中学受験の情報を提供できればと考えました。

　本書が、塾なし中学受験を考える一助になれば幸いです。

【目次】
はじめに
第１章　塾なしは全体のわずか5％！？
第2章　わがやが塾なしを選んだわけ
（１）家で過ごす時間を大事にしたかった
（２）塾ありきの中学受験の構造に疑問を感じた
（３）親に時間があった
（４）長男自身が希望した
第3章　塾なしのメリット
（１）自由に使える時間が多い
（２）通塾時と比べて、費用が安く抑えられる
（３）クラス昇降やテストの結果に振り回されない
第4章　塾なしのデメリット
（１）誘惑が多い
（２）強制力がない
（３）自分で情報を集める必要がある
（４）子供に勉強を教える人（親・家庭教師など）が必要
（５）切磋琢磨できる友達がいない
第5章　塾なしに向いている子
（１）素直
（２）理屈で理解できる
（３）家庭学習の習慣がある
第6章　塾なしのハードルは低くなってきた
おわりに