著者:結城憲三
ページ数:330

¥306¥0

小説「リプログラミング」の概要
 病院で患者等から採取された血液、尿、細胞、組織等の検査の受託を主たる業務とする臨床検査会社の研究室に勤務する主人公は、マウスやヒトの胚性幹 (Embryonic Stem=ES) 細胞や iPS (induced pluripotent) 細胞の作成や分化について研究している生物系の研究者である。主人公は、社内結婚した妻との間に幼稚園に通う一人娘がいる。しかし、彼は、ある時、おたふく風邪に罹患して、子供を作れない体となってしまった。そして、極めて優秀な研究者であると自負している彼は、何時しか、何とか自分の遺伝子を持った男の子が欲しいと思うようになっていた。
 結婚後八年間子供に恵まれなかった夫婦が、ある病院で不妊治療を受けていたが、治療開始から二年後に、漸く治療に成功して、男の子供を授かった。その夫婦は、漸く授かった子供を大切に育てていた。子供が二歳になった時、子供が怪我をしたので、子供が生まれた病院で手術を受けた。その時、病院は、子供の血液型が、両親からは生まれてくる筈のない血液型であること知った。病院側は、その原因を知るべく、懸命な調査を行った。その結果、病院が受精卵の着床前診断のために依頼していた外部機関で、受精卵とヒトクローン胚が掏り替えられていたことを知る。また、病院は、その摺り替えの事実を知らずに、そのヒトクローン胚を、不妊治療を受けていた婦人の子宮に移植し、結果として、クローン人間が誕生したことを知ることとなる。
 このクローン人間を出産したご婦人は、勿論、生まれて来た子供がクローン人間であることは知る由もなかった。しかし、この子供は、主人公が勤務する会社の研究者と全く同じ遺伝子を持つクローン人間であることが判明した。病院側と主人公が勤務する会社は、共同して、クローン人間が過誤によって誕生したと、公表した。会社側では、勿論、そのクローン人間の元となっている人間が誰であるかについてはいる把握していた。しかし、その発表では、子供とその両親の名前や住所等は、個人情報であるとして公表されなかった。また、そのクローンの元となっている者が誰であるかについても、公表されなかった。そのために、実際にクローン人間が誕生しているのかについて、客感的に確認することが出来ないことから、疑義が寄せられることとなった。
このクローン人間誕生の発表は、社会に大きな衝撃を与え、マスコミは、そのことを大々的に取り扱い、同時に、クローン人間探しが始まった。ある新聞記者の懸命な調査の結果、クローン人間が実在していることと、同時に、それが誕生した背景が明らかとなる。そして、この新聞記者は、クローン人間は実在している、と発表する。また、その記者は、そのクローン人間の誕生に主人公が関わっていたことも知ることなる。このクローン人間とその元となっている人間が特定されたことにより、その二人とその関係者に対する社会の反応が、その後、問題となる。この物語のその後の展開については、本を読んで頂きたい。
                          作者

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