ハイボラティリティ市場を制する、最も効率的なFX投資の方法

まえがきより
最近のマーケットは荒れています。英国のEU離脱、ISとの終わりなき戦いなどの地政学的リスクの上昇もありますし、温暖化に伴う異常気象もそれに拍車をかけます。さらに、コンピュータによる高速トレードや人工知能の活用、レバレッジやデリバティブなどの金融商品の影響もあいまって、株式市場や為替市場は乱高下の起きやすい状態が続いています。

このようなボラティリティの高い状況のなかで、個人投資家の悩みは大きいことと思います。私も、年々ボラティリティが高まる市場の動きをみて、どのような投資戦略が最適か頭を悩ませてきました。そして、一つの結論に辿り着きました。それはFXを活用するというものです。

巷には、FXで一攫千金を謳う著作であふれています。本書はそのような本とは一線を画します。断言しますが、一攫千金など本を読んで実現するものではありません。そのような書籍は、ハイリスク・ハイリターンで一財を築いた方々が、新たな金脈として情報商材や書籍、セミナーを使っているだけです。成功できるのはほんの一握り、多くの人は変動する為替市場に翻弄され、ロスカットを余儀なくされていることでしょう。

本書で述べている方法は、そのようなハイリスク・ハイリターンの方法ではありません。むしろ、ミドルリスク・ミドルリターンです。株式で言うならば、アクティブ運用よりもパッシブ運用に近い考え方です。投資の面白みは半減するかもしれませんが、投資成績を上げるにはパッシブ運用が最も確率が高いことは多くの研究で知られています。著名な投資家ウォーレン・バフェット氏も、「素人の投資家は、インデックス投資をすべき」と述べています。

様々な方法で検証した結果、現在の市場の動きを見る限り、FXは他の金融商品に比べて高い利回りを確保することが可能だと考えられました。その検証結果については本書で詳細に述べましたが、結論から言うと、元手が110万円あれば、年利10%も夢ではありません。一般的に、株式の期待収益率が7%と言われますので、それを上回る計算です。本書を読むとわかりますが、これはかなりリスクを抑えた想定で行った計算です。この程度のリスクで年利10%であれば、十分に投資価値があると私は考え、実践に移しました。

私と同じ方法を行うかどうかは、皆さん次第です。検証内容は本書にすべて記載しています。その内容を読み、「この程度のリスクなら大丈夫」と考える方もいるでしょうし、「私はもっとリスクをとることができるので、年利20%を狙える」、「あまり時間を避けないからリスクを抑えて年利7%を狙う」と考える方、それぞれでしょう。皆さんのスタイルに応じてカスタマイズしてください。

「なぜ儲け話を人に教えるのか」これがよくある疑問でしょう。しかし、本書の内容が広まったところでFXの市場が動くとは思えません。なぜなら、ヘッジファンドや中央銀行の介入などがあるため、本書を読んだ個人投資家の動きだけで私の収益が減るものではないからです。さらに、昨今の地政学的リスクの上昇、EU離脱などの影響で今後の市場はますますボラティリティの高いものとなるでしょう。私の方法は、ボラティリティの高い市場で強みを発揮するため、このような動きは追い風となります。日本中の「ミセスワタナベ」達が全員この方法を使うと多少は私の利益が減るでしょうが、そこまで普及したなら本望です。

本書は、本業トレーダーには向いていません。一攫千金の方法をお教えするものではないからです。むしろ、副業として投資をしている方にこそおすすめです。本書をお読みになった皆さんが、投資に煩わされなくなることをお祈りいたします。

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目次

まえがき
著者紹介
現在の市場の特徴
　- 人工知能の進出

株式について
　- 投資の成功は市場のゆがみ
　- 「割安」な株価を探すのは至難のわざ
　- 株に投資するならインデックス

不動産について
　- 不動産のリスク
　- 所得税対策としての旨味も減少
　- 私は諦めた不動産投資

FXについて
　- 一攫千金は無理
　- FXの良い点
　- 相場が読みやすい
　- ボラティリティの高さはFXに有利

FXでの稼ぎ方
　- 基本戦略
　- 例１：米ドル-円の組み合わせ
　- 例２：豪ドル-円の組み合わせ攻略
　- ポンド-円、ユーロ-円について
　- まとめ

FX取引の注意点
　- プットオプションはおすすめしない
　- 重複注文に注意
　- 想定年利の落とし穴
　- スリッページについて
　- 「複利が効かない」という批判

想定利回りを増やすために

含み損の考え方

いまはFXのはじめどき

あとがき