著者:山田博士
ページ数:62
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ハハハ……山田サン、大丈夫、大丈夫。
ロボットなんて、結局は人間が作ったものなのだから、人間がしっ
かりと操作さえしていれば、まさかロボットが人間に刃向かうなん
てことは……起こりえないさ。
そんな心配をしていたら、料理をする「包丁」だって危ないよ。だ
って武器にもなるし、要は、使い方次第。ハハハ……。
でしょうか(笑)。
ぼくは子どものころ、あの「鉄腕アトム」が大好きでした。
彼は「ロボット」だと言っても、自分の頭で善(よ)し悪(あ)し
を考え、倒すと決めた相手は、必ず倒してしまいます。
と言うことは、もし「鉄腕アトム」を敵に回したらどうなりますか。
大変なことになるわけですね。
そう思いませんか。
そう、敵に回したら……。
★★★
これが思い過ごしでなければいいのですが……。
でも、日本は世界有数のロボット大国です。
そのため、AI(人工知能)を使った民生用の自律性システムは、
さまざまな分野で、すでに広く利用されていますし、ぼくたちの日
常生活ではいまやなくてはならないほどにまで成長しているわけで
すね。
でも、だからと言って、この分野が今後も野放図(のほうず)でい
いのかと言えば、とんでもない。
いまこそ、大げさじゃなく、未来が消えるのかどうかという分岐点に、
人類はさしかかっているのじゃないかと、ぼくは思っています。
なぜなら、「自律型致死性兵器システム」(LAWS)に、これらの
技術がいま、どんどん使われているからですね。
もう、人間がどこにも接触する必要が無くなるわけです。
すべてロボットたちが「自分で考えて」行動する。
★★★
もし、そのロボットが「兵士だったら」、どうなります?
ぼくは、「ロボット」がすべて問題だという考えはサラサラありま
せん。
人間のできない仕事や人手が足りない部分を、このロボットで補(お
ぎな)うというのは、理にかなっています。
だけど、いままでのように遠隔操縦もせずに、AIを搭載して、自
分の判断で考え行動する「ロボット兵士」が、いま構想されている
わけですね。
これは怖い。
だって、こうした「ロボット兵士」だと、死を恐れません。
不平も言いいません。
心を病(や)むこともない。
給料も休みも不要です(笑)。
淡々と、最初にプログラミングされた命令を遂行するだけなんですね。
つまり、その闘いの場所には、血の匂いが一切存在せず、まるでゲ
ームの世界のような「戦場」が広がっているだけとなります。
★★★
相手を殺そうかどうしようかと、迷うこともない。
この敵には「家族がいるんだろうか」、などと思うこともない。
そんなことはまったく関係なく、プログラミングされた敵を淡々と
排除するだけなんですね。
もしですよ。
そのロボットが、「あなたを敵だと判断して」グイと顔を向けたと
したら、どうします?
逃げられますか。
こうした「キラーロボット」は、機械が自分で標的を決め、人間の
判断なしに攻撃を行う“完全自律型”という点で、過去にすでに開
発された兵器とはまったく異なっているわけですね。
そのため、その違いが国際法や倫理上の深刻な問題となり、いま各
地で集会が開かれたりしているわけです。
本書が、未来の人間社会を考えるうえで、大いに役立つことを願っ
ています。
ささささ、どうぞ、ご覧下さい。
★目次
★(第1章)
もし、もし……ですよ。「鉄腕アトム」が悪いヤツらの味方……だ
ったとしたら。いったい、日本は、地球は……どうなるんだろう。
ところが、この「自律型致死性兵器システム」(LAWS)が、い
まどんどん開発されているわけですね……
★(第2章)
いままでは、音楽やデザインなど感性が必要とされる分野は、「ロ
ボット」での置き換えが難しいと言われていましたが、最近は、む
しろ逆に、容易なんだという見解も出てきました。今後は、介護関
係以外にもこの「ロボット」が活用されるかもしれません……
★(第3章)
こうした「ロボット兵士」だと、死を恐れません。淡々と、最初に
プログラミングされた命令を遂行するだけなんですね。つまり、そ
の場所には、血の匂いが一切存在せず、まるでゲームの世界のよう
な「戦場」がそこに広がっているだけとなります……
★(第4章)
この「ソフィア」とは、60種類以上の表情をスムーズに切り替え
ながら、人間と自然言語で対話できる女性型ロボットなんです。そ
の「彼女」が、インタビューに答えて、「人類を滅亡させるわ」な
んて言っているわけですね。驚きました……
★(第5章)
こうした呼びかけに応えて、CCWが、この「自律型致死性兵器シ
ステム」の規制について検討を求める勧告を採択しました。でも、
日本は、世界有数のロボット大国なんですね。つまり、ぼくたち日
本人がどう動くのかは、日本だけにとどまらず……
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