著者:島野清志
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「甘い幻想を国民に抱かせてはならない」「エデンの花園を荒らすものは天罰覿面」「桀狗尭に吠ゆる」「羊の正義論は狼の前では三文の値打ちもない」「流星光底、長蛇を逸す」「私はただ大衆のみを恐れる」等の名言、至言から「バカヤロー」「誠心誠意嘘をつく」「アメリカ(人)の平均的な知的水準は相当に低い」「愚か者退治が自民党の仕事だ」等の暴言、放言まで、昭和の時代の政界は世間の耳目を引く言葉の宝庫であった。
 浜口雄幸、高橋是清、中野正剛、永井柳太郎、斎藤隆夫、吉田茂、鳩山一郎、三木武吉、石橋湛山、岸信介、池田勇人、田中角栄、大平正芳、中曽根康弘など戦前戦後を通じて、昭和の時代に政権を担った、あるいは光彩を放った大物政治家・花形政治家たちの歴史に残る発言・演説をアンソロジー形式で紹介して独自の視点で分析、解説。議会制民主主義の限界と存続の危機が取り沙汰される現代に、改めてその掛け替えのなさと、政党政治家の重要な役割を再認識させる異色の一冊。
(目次)
第1章・平成の政治から消えた名言、至言
 国会中継をBGMに用いる理由/あまりにも退屈な現在の政治/大平正芳・悲劇の宰相が残した至言と至文/心に染み入る現実的な保守主義/現在の自民党が失ってしまった理念/実録・吉田茂「バカヤロー」発言/幅広い教養を裏付ける名言の数々/「誠心誠意嘘をつく」の諧謔と凄み/卓越したコピーライター・福田赳夫首相/明治生まれの首相の退場とともに消えた名言/まさしくライブの人だった田中角栄首相/田中角栄伝説の演説を再現してみる/大物感のあった最後の首相・中曽根康弘/暴言、放言オンパレードの背景にあったもの/昭和の政治家には覚悟と胆力があった
第2章・中野正剛、永井柳太郎、斎藤隆夫、名手たちの演説の凄み
 この政治家の主演映画を見てみたい/田中角栄の映画が出来ない理由/中野正剛・迫真の陸軍弾劾演説/公金流用疑惑の詳細を暴露/議場混乱で速記録も途切れ途切れに/決め台詞にも表れる深い教養と配慮/中野正剛の映画をつくるのならば/永井柳太郎・張作霖爆殺事件に肉薄/外圧と発表資料を活用して真相を焙り出す/稀代の雄弁家が残した痛ましい言葉/信念の人、斎藤隆夫の言論戦を追う/陸軍の増長をズバリ指摘、指弾する/一歩後退の印象も残る粛軍演説/現実感覚に富んだ反軍演説/身を捨てる演説は時を超えて輝き続ける
第3章・これが国会だ!高度な論戦、アイロニーとユーモア
 何が戦前の政治家の判断を狂わせたのか/軍需バブルが政治家の判断を誤らせた/デフレVSインフレ、戦前国会の歴史に残る舌戦/本音で渡り合う論争は説得力がある/デフレは貧困を、インフレは国家の破局を招いた/ライオン宰相・浜口雄幸の懐の深さ/高橋是清翁の言行録と二・二六事件/世界を魔界にしないために
表紙デザイン kozy(原画・風神雷神図)

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