著者:NPO法人 医療機関支援機構 編集部
ページ数:30

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現代人は、子供のころから長時間のテレビ視聴や携帯ゲーム、動画視聴、試験勉強などをして過ごし、大人になってからは仕事で一日中パソコンのモニターを見つめ続けたりと、日々目を酷使する生活を送っています。
 加えて、自然環境の悪化や、オゾン層破壊による有害な紫外線の増加など、体の健康を損なうような生活環境が目に良いはずはなく、眼病はもはや現代病の一つと言うことができるでしょう。
 とくに注意したいのが、中途失明原因の多くを占める白内障と緑内障です。どちらも主な原因は加齢で、白内障は世界における失明原因の、緑内障は日本における失明原因のそれぞれ第一位となっています。白内障は患者数こそ横ばいですが、60代で6割以上、80代ではほとんどの人が罹患する眼病であり、一方で緑内障の患者数は年々増加の一途をたどっています。また、どちらも近年では30代で発症する人が増えており、若い世代にも注意が必要です。
 漢方ではさまざまな目の病気に、古くからアワビの貝殻を用いてきました。中国の古典医学書『本草綱目(ほんぞうこうもく)』では、アワビの貝殻を「石決明(せっけつめい)」という生薬名で紹介し、結膜炎、角膜炎などや白内障や緑内障に有効であると記載しています。
 アワビの貝殻抽出エキスの代表的な成分としてまずあげられるのが、コラーゲン様タンパク質である「コンキオリン」で、古くから白内障や緑内障の治療に用いられてきました。コンキオリンの作用は、コラーゲンの生成を促進し、水晶体をはじめ、視神経や網膜のコラーゲンを補う作用や、血流改善作用を持つといわれています。強力な抗酸化作用も特長の一つで、水晶体内のタンパク質の変性を防ぐ作用が期待されています。
 そのほかにマウスの実験では、心臓の働きを抑えて血圧を下げる、β(ベータ)ブロッカー的な作用も有していることが示唆されており、房水の流入を抑制させることで眼圧を下げる作用が期待できます。
この作用は、緑内障の点眼薬「チモロール」と同様のもので、作用成分としてコンキオリンが考えられています。
 眼球は水晶体も角膜も透明性をできるだけ保持できるような資質を備えていますが、主剤であるアワビの貝殻抽出エキスはもちろん、副材となるその他の生薬もその働きを活性化させると考えられます。
 また、その透明性の保持力が白内障に有効に働くと同時に、目の仕組み全体を活性化させ、それが眼圧のバランスを取る働きにつながることで、緑内障の予防・改善につながると考えることができるわけです。

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