著者:吉久 治之
ページ数:210

¥500¥0

[商品について]
―偶像ではない真の釈迦の姿―
学問的には説明不能だとされてきた「釈迦のさとり」。
本書は、キリスト者から自ら望む信仰を求めて思索の旅を続け、釈迦の思想に辿り着いた著者が、前著『釈迦のさとり』に続き、憶見に縛られない自由な視点で、出版された「釈迦の悟り2」を適宜編集した総集編であり「釈迦のさとり」の解明を試みようとする作品で
釈迦のさとりを求めた本書の旅は、釈尊に還る旅の始まりでもある。仏教の枠に収まらない釈迦の真の姿を知り、混迷の時代を生きる上で、現代の私たちにとって示唆に富む内容となっている。

「目次]
はじめに
第1 問題の所在
第2 古代インド概観
1 古代インドの宗教思想
2 古代インドの宗教感覚等
第3 ヴェーダの内容
1 はじめに
2 ヴェーダとは
3 ヴェーダの歴史的背景
4 リグ・ヴェーダの神々
5 リグ・ヴェーダの哲学賛歌等
6 サーマ・ヴェーダとヤジェル・ヴェーダ
7 アタルヴァ・ヴェーダ
8 ブラーフマナ文献
9 ウパニシャッド
第4 創造について
1 ヴェーダ思想における創造論
2 創造論の内容
第5 ブラフマン概念の絶対化の過程等
1 RVにおけるブラフマンの意味
2 RV以後のブラフマン概念の絶対化の内容等
第6 王族とヴェーダ
1 検討する意味
2 王族のヴェーダ伝承に関する客観的資料及び文献
3 SNの内容
第7 SNにおけるバラモン関連表現
1 問題の所在
2 バラモン関連表現
3 ヴェーダ関連表現
4 バラモン関連表現及びヴェーダ関連表現の総括
第8 SNにおけるダルマの意味
1 前提
2 SNにおけるダルマの意味
3 改めてSNにおけるダルマの意味の具体的検討
4 SNにおけるダルマ概念の総括
第9 SNと祭式等
1 問題の所在
2 釈迦と祭式
3 SNにおけるAVの呪法の否定
第10 釈迦とアートマン
1 SNにおけるアートマンについて
2 RV等におけるアートマン等について
第11 SNにおけるタッド・エカムないしこれに準じるものについて
1 問題の所在
2 SN884について
3 タッドエカム等について
第12 釈迦の悟りとは
1 修行と瞑想
2 哲学的に思惟するとは(総論)
3 哲学的に思惟するということの内容
4 釈迦の悟りとは
第13 おわりに

[出版社からのコメント]
仏教は私たち日本人にとって馴染みの深い宗教ですが、一方で釈迦自身が語った言葉や思想については何も知らないといっていいかもしれません。現代の仏教とは異なる釈迦の思想はどの様なものだったのか、それを解明することは多くの困難を伴う作業ですが、本書はその困難な作業に真摯に取り組んだ一つの結果として形になった作品です。本書を通じて、釈迦が到達した真理への旅を、多くの方に味わっていただければ嬉しく思います。

【著者紹介】
吉久治之(よしひさ・はるゆき)

[読者から頂いたお声]
私の家は昔お寺でした。私のひい祖父がお坊さんをしており、作ったお寺でしたが、今では当時の仏様たちを守るのみとなっています。ですので、一般的な家庭より仏様やお釈迦様というのは身近な存在だったと思います。著者様が書かれていた「いわば親戚のようではあるけれどもどういう関係なのかよくわからない」という言葉や感覚にとても共感いたしました。恐れ多い話ではありますが、どことなく著者様と自分が似てる部分があるような気がして本書においても興味深く拝読させていただきました。著者様がおっしゃられた通り、釈迦の真意というものはわかりません。言われて初めてこのことについて考えたのですが、たしかにこれだけ多くの方が信仰しているにもかかわらず、なぜその詳細がないのか・・・その答えを求めて本書を読み進めました。私が昔学んだ限りでは、その説法を聞いた側がどう受け止めるかはその人次第。それゆえに様々な宗派に分かれていったとのことでした。私はその時点である種の思考停止の状態になっていたと思うのです。また、「どうしても既存の仏教観点からみてしまうようである。」という点においても同様の状態であったと本書によって気づかされました。そして、本書を通して改めて仏教や釈迦についての勉強にもなりました。勉強不足ながら存じ上げなかったことも多々記され、敬服致しました。
本書は、仏教の家庭に生れ、キリスト教にも親しみ、その後に改めて釈迦の悟りについて考えられた著者様だからこそ書くことのできる一冊だと思いました。まず、そのような一冊に出会えたことがうれしいです。その上、この一冊を出版されるまでに大変様々な文献や著名な方々のお話を聞かれているようにお見受けいたしました。大変長い歳月をかけてこられたと思いますし、ある意味でこれは著者様の人生をかけた一冊でもあると思います。この一冊がこれからも長く世に流通し、仏教徒だけでなく、そこに馴染みのある方々の手にも届くことを名がっております。(30代:男性)

作者は検事から公証人、弁護士として活躍されていた方ということで、作品も非常に論理的・客観的立場から学術的に執筆されています。問題を「なぜか」と客観的に鋭く追求していくのもお仕事柄からくるものでしょう。しかし、私達にも馴染み深い「フーテンの寅さん」やかつてテレビドラマで人気だった「阿修羅のごとく」などを引用し、わかりやすく解説してくださっています。「ヴェーダ」「バラモン」などといった難しい言葉も数多く出てきますが、様々な文献から事実を洗い出し解説されています。特に第6 王族とヴェーダの章は、釈迦の実生活に少しだけ迫ることができ興味深かったです。釈迦は勢力が強く伝統的なバラモン思想を拒否して、源流の最も大事なところに還った「唯一なるもの」、ただ一つのもなのだから争ってはならないとし、異なった世界観に対する寛容融和の精神をインド思想の特徴としてまとめています。「唯一なるもの」は無限の包容力を強調しているように感じました。制約が多く神経質になっている昨今の社会にも少しだけこのような精神が浸透してくれば皆が過ごしやすいのにとも感じます。悟りには神々の源泉、はるか仰ぎ見るもの、神々さえ超えた尊いものを精神の根底に置くところから始まる修行と瞑想が必要とされているそうです。修行には釈迦の根本精神の慈悲の心、思いやりがあり、まさに様々な場面で修行せねばと恐れながら自戒しました。瞑想も客観的に宇宙の理法、主観的に自己という人間存在、根底には「唯一なるもの」があると考え、絶対的なものにとらわれず相対的に物事を見る根本精神の大切さを説いています。悟りの前提として「諸行無常」と仏教で使われていますが、宇宙スケールの真理に身を委ね、「ありのままに」不動の精神の安定、安穏に過ごすことを教えてくれています。宇宙の中では私たちの存在はなんと小さく、はかないものかを実感し、その壮大さに圧倒されもしました。(30代:女性)

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