著者:山本督文
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本書の目的の一つとして、自分の幸せが他人の目にどう映るかを気にしなければならないというゆがんだ構図を明らかにする。常に他人からの評価を押し付けられると、自分の人生が意味を失ってしまう。人生に意味が感じられなくなるのは死にたくなる主な理由の一つだ。
実は義務教育からすでに、他人の目を気にすることを強要され継続的に徹底して訓練されている。他人の目を気にすることは、同調圧力につながったり負け組・勝ち組のような差別を生んだりすると見なされているが、民主主義も他人から評価されること(選挙)を土台にして成り立っている。そして、個人が持つ人生の夢も希望も他人に評価されなければならないという社会で私たちは生きている。
本書では、生きる意味、行動する意味について哲学や脳科学ではなく世俗的な文脈から問い直す。
そして、無意味に感じられることが出所不明の評価基準によってもたらされていることを明らかにし、自らの行動で自らの意味を回復することを目指す。
目次
はじめに
パート I 反・共感
第 1 章 無気力・無関心・無感動
無限の可能性からゼロの現実へ
人は幸せになるために行動しているのか
目指すのは自分の幸せだけか?
幸せの主体
生き甲斐離れ
学習性無力感の内外要因
第1章のまとめ
第 2 章 死にたくなる理由
幸福感と達成感
幸せになる手段の目的化
価値観に基づいた達成感
○○らしさとは価値観の押し付け
絆と和が生み出す同調圧力
間違った達成感
達成感を阻害する満足感
生きているとみなされる死者
社会的意味が負に感じられるとき
共感するだけの群れ
受動的感動と能動的感動
第2章のまとめ
パート II 救済
第 3 章 心から体を守る
健康については引き算主義
化学物質よりも情報による能動的快感
達成感がご褒美
達成感を得るための記録
第3章のまとめ
第 4 章 心を守る
羊を数えないで眠る方法
時間・場所を決めて悩む
嫌な気持ちを思考と切り離す
宗教でやっている訓練を借りる
心から言葉を追い出す
ペットとの時間の共有
フィクションの物語でポジティブ感を得る
何もかもうまくいかないとき
何もしたくないとき、何もできないとき
第4章のまとめ
第 5 章 思い込みから身を守る
SNSによる幸せの押し付け
和という同調圧力
無根拠な占いから学ぶこと
精神安定剤としての語学学習
快感覚を自作する
第5章のまとめ
パートⅢ 世界の意味
第6章 すべての思考は感情か?
直感を後追いする思考
感性至上主義と反知性主義
日常生活における感情労働
感情を外面化するソーシャルメディア
第7章 信仰
宗教的教義の根拠
感情至上主義を利用する信仰
真実を超えるもの(Post-truth)
宗教から提供された生きる意味
フィクションが大人気である理由
第8章 意味の多義性
功利主義の文脈
出来事に参加する意味
出来事の総体としての世界
局所的な意味と非局所的な意味
おわりに
文献目録
著者について
山本 督文 (やまもと とくふみ)
情報環境学博士。システム開発プロジェクトマネージャ
1968年 神戸市生まれ。1993年 神戸大学大学院自然科学研究科修士課程修了。1993~1998オーストラリア政府奨学金給付留学。Melbourne大学で科学哲学を学んだ後 Charles Sturt 州立大学博士課程修了(Information and Environmental Sciences 専攻)。
外資系銀行・損害保険会社勤務を経てフリーランスSEに。システム開発プロジェクトのプロジェクトマネージャとして業務。
AWSクラウドプラクティショナー。メンタルヘルスマネジメントⅡ種。
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