著者:伊藤 薫
ページ数:317

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1902(明治35)年1月、雪中訓練のため、青森の屯営を出発した歩兵第5連隊は、
八甲田山中で遭難、将兵199名を失うという、歴史上未曾有の山岳遭難事故を引き起こした。

当時の日本陸軍は、大臣報告、顛末書などで、猛烈な寒波と猛吹雪による不慮の事故として葬り去ろうとした。
しかし、その事故から62年後、最後の生き証人だった小原元伍長が長いインタビューを受けて証言、
地元記者が「吹雪の惨劇」として発表し、真実の一端が明らかにされた。
その情報を元にして新田次郎は『八甲田山死の彷徨』を執筆、書籍は大ベストセラーに、映画『八甲田山』も大ヒットした。

著者は、小原元伍長の録音を入手し、新田小説とのあまりの乖離に驚き、調査を始める。
神成大尉の準備不足と指導力の欠如、山口少佐の独断専行と拳銃自殺の謎、福島大尉のたかりの構造、
そして遭難事故を矮小化しようとした津川中佐の報告など疑問点はふくらむばかりで、さらに生存者の証言、
当時の新聞、関連書籍や資料をもとに、現場にも足を運び事実の解明に努めようと試みる。

新発見の事実をひとつひとつ積み上げながら、「八甲田山雪中行軍」とは何だったのか、その真相に迫る。

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