【無料で読める】黄昏のピエタ: 雨滴堂詩選第一集 (無名氏文庫)

子を産み、育む過程で抱く感情。
大事な我が子への愛は、人そのものへの気持ちでした。
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（収録作品）

1. 黄昏のピエタ
2. 正義の断罪
3. 短縮未来
4. 裏方前線未満譚
5. 塩の柱　肉の欠片
6. 生を享く
7. 焼紙銭――母への手紙――
8. 登園の儀
9. 無価値の至福
10. 行き届かない言い訳と、悔い
11. 気をつけて気をつけて
12. 母の日のあんな母の子らへ
13. ツイツタア回旋曲

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（収録作品『無価値の至福』より）
カーテンの隙間から細く差し込む暁光が
子どもの寝顔に翳を作る
新しい朝
規則的に鼓動を鳴らす
素晴らしい生き物であるあなたが
どうか生涯
好きなものを愛で好きなものを食み
心地好く笑い愛し愛され
ゆたかに存在できるようにと
無力なわたしは息を潜めて
願い 祈り 目を瞑る